部署紹介
医療情報課
医療情報課
皆さんが病気になって受診した時、医療費の自己負担割合が何割になっているか知っていますか?病院に来るとはじめに窓口で健康保険証の提示を求められると思います。一般的に医療費の3割は患者さんへ、残りの7割は健康保険証の発行元へ請求されています。医療情報係では主に入院患者さんの請求業務を行っています。ルーチン業務として、入院中に行った医療行為を国で定められている点数表(※診療行為は全て点数化されており、1点10円で計算されます)を基に計算し、患者さんへは入院費の自己負担分を、保険者(健康保険証の発行元)へは「レセプト」と呼ばれる診療行為の明細書を作成してそれぞれ請求しています。実際には患者さんが利用する健康保険に加えて高額医療制度や各種医療助成などもあり、負担割合は様々なため、医療保険制度をしっかりと理解することが医療情報課員としての第一歩となります。その他にも電話対応や窓口業務での様々な問い合わせへの対応や、調査データの統計等、業務範囲は幅広く、更には2年に1度行われる診療報酬改定(点数表の改定)等に備えて、医療情勢を的確に捉え病院の体制を整える役割もあります。

函館五稜郭病院の請求形態とその特徴
ところで、就職説明会等で聞かれているかもしれませんが、函館五稜郭病院では平成20年4月よりDPC制度に基づいた診療報酬請求を行っています。DPCとは一般的には「急性期入院医療の診断群分類にもとづく1日あたりの包括評価制度」です。詳しくは別の機会にしますが、このDPCによる請求は「情報」というキーワードが非常に重要になります。DPCはその導入効果として主に以下があげられます。
DPCの効果 | *自院の位置付けを把握でき、自院と他院との経営や治療成績を客観的に判断できる(ベンチマーク) |
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*医療のコスト管理、ムダの削減、生産性の向上など経営マネジメントに寄与する | |
*院内の情報化を推進する | |
*医療の質の向上を推進する |
このような流れもあり、医療情報課の役割も変化を求められています。これまでは単に診療行為を点数化し請求するような定型的・作業的業務が中心でしたが、今後はDPCにより得られた診療情報の分析を基に、専門的見地から医師やコメディカルスタッフにその情報をフィードバックする診療支援部門として、病院経営への影響度の大きい業務へと変化しつつあります。
診療情報管理課
診療情報管理とはカルテやフィルム等診療記録の作成・保管方法、さらにはそこから読み取れる情報の有効活用を行う分野で、ここ数年全国的に注目が高まっている業務でもあります。函館五稜郭病院では平成14年末、当該業務を専門で行う有資格者(診療情報管理士)を配置する等してそれまで物的管理に限定されていたカルテ庫の機能拡張を行いました。これが現在の診療情報管理課の前身である診療情報管理室となっています。 基礎的な業務としては、退院後のカルテを点検して製本することや、必要時にカルテを出庫することが挙げられます。また製本時には患者さんの病名をICD10というコードに変換してデータベース化します。ICD10は全世界共通のコードで、全ての医療機関が共通の基準で使用できるのが長所です。データ抽出や病院間比較のインデックスとして役立つほか、現在では診断群分類(DPC)別の医療費包括支払制度等の多くの用途で使われ始めています。 その他では平成20年度よりがん患者の情報をデータベース化する「院内がん登録」の取り組みを開始し、平成21年4月からは地域がん診療連携拠点病院に認定されるなど、地域のがん治療の中核を担う函館五稜郭病院の活動に寄与しています。

外来サービス課
外来サービス課
診療は大きく入院診療と外来診療に分かれますが、当課は外来診療の事務を担う部署です。当院は急性期病院といって重症患者や精密検査が必要な患者、紹介患者等を主に診る病院ですので、外来もそのような患者さんがメインとなります。
函館五稜郭病院の1日の外来患者数は約1,000名となっております。当課では外来診療の受付から会計までのスムーズな運用、外来における患者満足度の向上のために日々研鑽しております。

主な業務の紹介
フロアガイド | 新患窓口、予約患者さんの呼出番号発券機付近にて案内を行う。 |
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窓口受付業務 | 受付、保険確認、診察終了後の患者さんの呼び出し、各種問い合わせに対応。 |
会計入力 | 診察終了後の診療データをPCで取り込み、内容チェック後、会計券を発行。 |
データ整理 | 診察時に使用した心電図や超音波検査等のデータ整理。 |
書類整理 | 患者さんや役所等から依頼された診断書や証明書を担当医へ依頼し、完成後送付。 |
伝票整理 | 診察時に実施した血液や尿等の検査結果の伝票をカルテに貼付。 |
予約準備 | 予約一覧表を参照し、カルテを準備。次回診察時に必要なデータ等を用意。 |
退院整理 | 退院した患者さんのカルテ、データ類が各病棟から返却されたものを点検・整理。 |
病名入力 | 診察が終了したカルテの病名欄にある病名を医事システム上に入力。 |
カルテ管理 | 外来カルテの貸し出し・受け取り登録。 |
レセプト点検請求業務 | 1ヶ月の診療内容をレセプト上で点検し、確定後に電子請求します。 |
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査定処理 | 査定されたレセプトを分析・調査し、再度請求可能と判断したものを診療内容の必要性など詳しい説明を添付して再審査請求します。 |
返戻処理 | 請求したレセプトに対し、返戻された内容を再確認し再提出します。 |
各種リスト処理 | レセプト請求に伴う各リスト(保険エラー、病名漏れ等)を参照し、レセプト点検前に不一致または未入力のデータを修正します。 |
チーム活動 | 接遇、業務改善、環境美化・マニュアル作成・知識向上・心と身体、の6チームに分かれ業務改善活動を行っています。 |
資材課
資材課
早期に情報を収集・活用し、クオリティの高い患者サービスを提供
医薬品や注射針等の医療に必要な物品からコピー用紙等の消耗品の果てまで病院で必要とされるあらゆる物品の調達(購入)を担当している部門です。物品の調達には、高度医療機器といわれるMRIや手術ロボット等の高額な装置も含まれます。また建物の改築や改修など建物の保全管理も当課の重要な役割の一つです。
資材課では現場から物品の購入要望を受け、各メーカーに物品を注文し現場に物品を届けていますが、メーカーとの価格交渉も重要な役割の一つです。近年、メーカーからの値上げ圧力が強く、価格交渉が難航するケースが多くなっていますが、日々粘り強い交渉でなんとか購入コストを抑制しています。資材課の使命は1円でもコストを抑制することですので、粘り強い交渉力は資材課職員に求められる資質の一つです。
現在、一部老朽化した建物の改築工事を進めており2014年には工事が完了する予定です。このような改築も含め、建物の保全管理によって、患者さんと職員にとって少しでも快適な環境を提供していくことも資材課の大切な業務の一つです。

総務課
総務課
総務課とは組織の中枢的業務を担うところで、院内のあらゆる事柄・法律に精通している部門です。職員の労務管理を基本業務とし、他にも給与計算、行政への各届出、文書管理、リクルート活動、教育研修の実施など業務内容は非常に幅広い内容です。

※関連法規
医療法、医師法、労働基準法、労働安全衛生法、雇用保険法、健康保険法、厚生年金保険法、国民年金保険法、労働者災害補償保険法、労働保険料徴収法、男女雇用機会均等法、パート労働法、労働者派遣法、育児・介護休業法、労働組合法、など。
院内の大半の部署が患者さんを対象としているのに対し、総務課の仕事の対象は「職員」や「仕組み」(規則や規程、制度等)がほとんどであり、「すべての職員が安心感とやりがいをもって働くことができるインフラを整え、かつ法律や制度に基づき組織に利益を見出していけるようなしくみや制度を構築すること」が最大の使命です。
企画情報システム課
企画情報システム課 企画係
企画係は経営課題をGETするアンテナ
病院における企画係の役割とは、ずばり「経営課題をGETするアンテナ」の役割です。病院を経営していくためには、様々な「内部環境要因」や「外部環境要因」を分析して、「いま病院に何が必要なのか」を適正に判断し、常に病院をプラスの方向へ導き出していくことが必要となります。

企画係は「企画力」を養う道場
次にGETした経営課題からプラスの方向へ導き出すためには、課題を分析・評価し、達成目標と計画を立て、それを実行していく力が必要となります。企画係では、この力を「企画力」と呼んでおり、病院マネジメントスタッフとして、この力を養うことにも業務の重点を置いています。
- 企画力
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- 1.人と組織を動かす力
- 2.企画を実行する力
- 3.魅力的な共感の物語を語る力
「企画力」は他部署においても、仕事をする上では非常に重要な力となります。企画係で学んだこの力を将来他部署においても発揮できるスタッフを育てることも、企画係の病院における重要な役割の1つとなっています。
主な業務の紹介
企画係には日々のルーチン業務が存在しません。よって、月単位・年単位で目標を達成する計画の立案力と業務管理能力が必要となります。業務は全て10のカテゴリーで管理されています。
VISION-G | 函館五稜郭病院の向こう3年間の中長期計画を策定しています。 |
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原価計算 | 函館五稜郭病院の収支を分析しています。 |
施設基準 | 診療報酬改定への対応と管理を行っています。 |
病院機能評価 | 5年に1回行われる病院機能評価受審の事務的な取りまとめをしています。 |
広報 | 広報誌の作成やマスコミ対応、ホームページ等を担当しています。 |
マーケティング | ご意見箱の回収や患者満足調査等を行い、患者さんの視点から改善を行っています。 |
統計 | 病院統計をまとめ、経営分析等のデータを作成しています。 |
地域連携 | 地域医療機関対象のセミナーや市民講座等を企画・運営しています。 |
教育 | 企画塾という病院マネジネントスタッフ養成塾を開き、共に学んでいます。 |
地域がん診療連携拠点病院 | 地域がん診療連携拠点病院として病院総括担当を行っています。 |
企画情報システム課 システム係
システム係の役割は、病院基幹システム(電子カルテシステム、医事システム、RIS/PACS等)を安定稼働させること、さらにはシステムをソフト・ハードの両面からより現場に即した効率的・標準的なものに改善していくことです。また、システムで日々発生する膨大なデータを二次利用が可能な価値ある情報に加工することも重要です。
- <日々の点検と更新計画>
- システムの安定稼働のために、日々の点検業務は欠かせません。各種サーバーやネットワーク機器の物理的な目視点検や、システム監視ツールやエラーログの確認を毎日行っています。また、システム稼働している全てのハードについて購入時期と次回の更新予定を管理することで、システム全体のバージョンアップ計画も合わせて行うことができます。
- <システム導入>
- 院内の各部門と協調しながら新しいシステムを導入することは、当課にとって重要な業務です。中でも2015年6月に稼動した電子カルテ導入作業は、当課始まって以来最大のイベントとなりました。
- <データの二次利用>
- 患者さんに必要な医療を安全・確実に提供するには、臨床現場で日々行われている医療行為と結果を継続的にモニタリングしなければなりません。そのためにはモニタリングする客観的なデータが必要であり、そのデータを蓄積・活用する手法としてDWHを構築しています。また、膨大なデータを院内の各専門職やチームが如何に活用するかが重要であるため、これまでに行ってきた活用方法を「事例紹介」で院内に周知すると同時に、現場から上がってくるデータ活用の相談に積極的に携わっています。
健康管理センター
健康管理センター
健康管理センターの役割は、健康診断・人間ドック等の提供を通し、病気の早期発見・早期治療、生活習慣病の予防、健康の 保持・増進の支援等を行うことです。人々が生活していくうえで健康は基本です。国民医療費が増大する中で、「病気を予防する」という予防医学は今後ますます発展する分野と言われており、この部分を担っているのが健康管理センターです。主な役割は以下の4つです。

- 1.健康診断・人間ドックの予約・実施・結果通知
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- ・学校、就職採用時、就業中の方々の健康診断だけでなく、市町村の住民健診、企業・個人で受ける人間ドック・がん検診等、様々な種類を扱っており、これらを運営しています。予約を受ける際には、それぞれに適した内容や料金の助成制度等をご案内します。
- ・健康診断・人間ドックを受ける際は、安全に、短時間で実施できるだけでなく、待ち時間を快適に過ごしていただけるように、様々な工夫を行っています。
- ・健康診断・人間ドックの結果は、正確に、迅速に、受診者に届くよう、医師・看護スタッフ・事務スタッフが協働して取り組んでいます。
- 2.二次検査の予約業務
- 異常が発見された場合は、病院受診を勧めています。スムーズに外来を受診していただくために、受診者と外来窓口をつなぐ役割を担っており、日程調整やカルテ・健診結果の準備等の業務を行っています。
- 3.保健指導に関わる業務(保健師による業務)
- 今のままの生活を続けていくと、やがて糖尿病や高血圧症などの生活習慣病の発症を招くと予想される方に、積極的に生活改善の支援をしていきます。
- 4.その他
- 健康診断でがんが疑われた方の追跡調査を実施しています。これにより、二次検査の受診動向分析が可能になり、積極的な受診勧奨につながり、更には診断精度(正確性)の判断材料のひとつにもなります。
健康管理センターは病棟や外来とは違い、患者さんの「病気を治療する」場ではありません。しかし、「健康に携わる」という面から見れば同じ医療の場だといえます。
北海道・道南地区で特化している検査
PET/CTという検査装置は、がんを早期に発見できる最新鋭の診断装置で、北海道 道南地区では当院が唯一の保有施設です。この検査装置を中心とした「PET/CTがんドック」の利用拡大にも力を入れています。