薬剤科
- 薬剤科の理念
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- 1.使命感を持ち、科学的根拠に基づいて主張する薬剤科
- 2.常に安全性・有効性・経済性に配慮した薬物療法を提案する薬剤科
- 3.取り組みの結果を自ら評価し、活動の展開を図る薬剤科

当院の新人教育はOJT(On the Job Training)で行っています。担当の指導薬剤師と共に、年間スケジュールに沿って作成された進捗チェックリストに従い、週間スケジュール及び1日スケジュールを組み立てて進めていきます。不明な点などは、その都度指導薬剤師を中心に、薬剤師全員でフォローしていきます。
また、1ヶ月に数回は新人の方と進捗について話し合う機会を設けており、苦手な点や個々人の習得度合いを考慮し、その都度スケジュール調整も行っています。
ICU以外の各病棟に2名~3名担当薬剤師を配置しており、病棟ごとに様々な入院科が割り振られて、病棟によって疾患患者が異なります。
服薬指導業務や病棟業務の習得では、全ての病棟における業務を体験した後、担当病棟を決めます。病棟担当を決める際は、新人薬剤師から担当したい病棟の希望を募り、極力希望に副った病棟を割り当てます。
各病棟に先輩薬剤師がいるので、フォローを受けながら安心して病棟活動を実施しています。
日々の業務はすべてスケジュール管理されており、誰が何の業務を何時まで担当するのか薬剤師ごとに割り当てられます。
新人薬剤師は、年間の教育スケジュールに沿って1つ1つ業務の習得し、おおよそ1年間ですべての基幹業務を行えるように成長できます。
新人教育イメージ図
日本医療薬学会や日本癌治療学会、日本緩和医療学会など、年に全国数十ヵ所で様々な学会や薬学大会が行われます。薬剤師としてのスキルアップや資格更新・取得のために、経験年数を問わず学会出張を行っています。参加したい学会の希望を募り、年に1人1回は参加できる体制を組んでいます。他施設での取り組みや、考え方を知るとても良い機会となり、日々の業務の活力になります。
参加学会 例当院は、薬剤師のキャリアアップ形成を積極的に支援します。なお、専門・認定資格の取得や継続に要する出張等の費用は、病院が負担します。
※2022年4月における資格取得状況当院では、患者様のQOLや医療の質の向上につなげる事が出来た取り組みなどについて、各種学会発表や論文投稿を積極的に行っています。院外への情報発信を意識した活動は、薬剤師が効率的かつ、高いモチベーションを維持して生涯学習に取り組むためにも重要です。
学会発表・論文投稿の実績例
ベンゾジアゼピン系薬剤の長期使用に対する医師への情報提供と効果
(第三回日本精神薬学会,2020年)
腎機能低下時に最も注意が必要な薬剤が処方されている患者の血清クレアチニン検査の実施率
(日本腎臓病薬物療法学会誌,2019年)
軽度催吐性リスクの抗悪性腫瘍薬併用療法時の制吐療法の実態に関する多施設共同調査
(癌と化学療法,2019年)
継続した薬物治療管理に向けたCKD病診薬連携の構築-CKDシールを活用した腎機能情報共有化の取り組み-
(日本腎臓病薬物療法学会誌,2018年)
薬剤管理指導依頼のクリニカルパスへの組み込み
(日本クリニカルパス学会誌,2018年)
オピオイドによる難治性嘔気・嘔吐に対するオランザピンの検証
(日本癌治療学会学術集会,2018年)
薬・薬連携から得た外来患者の疼痛状況の評価
(日本緩和医療薬学会年会プログラム・要旨集,2018年)
患者転帰に関わる指標~NPC/N比がもたらす結果の考察~
(日本静脈経腸栄養学会雑誌,2018年)
新人薬剤師を含めて、症例報告会を月に1回程度、定期的に行っています。病棟や外来での薬剤管理指導時に関わった症例について、情報共有や今後の治療方針について活発な議論が行われます。症例報告会は、薬剤師としての知識の向上と、若手薬剤師の教育としても非常に役立っています。
当院は日本病院薬剤師会より「がん薬物療法認定薬剤師研修事業に係る研修施設」の認定を受けています。
当院にて「3年以上、がん薬物療法業務に従事」することで「がん薬物療法認定薬剤師認定申請資格」を得ることが出来ます。
また、道南唯一の「がんゲノム連携拠点病院」であり、慶応大学病院とのカンファレンスに参加、がんゲノム医療についても学ぶことが出来ます。
がん薬物療法認定薬剤師、外来がん治療認定薬剤師、緩和薬物療法認定薬剤師が在籍しており、実務を通してレジメン管理から患者指導まで学ぶことが出来る環境となっています。
当院で作成したトレーシングレポート様式を当院webサイトにて公開しております。疑義照会には該当しない、即時性の低いものの「処方医師への提供が望ましい」と判断された内容についてはトレーシングレポートを活用し、調剤薬局との情報共有を行っています。
がん化学療法治療が進むにつれ、地域の医療機関や調剤薬局との連携が必要不可欠となるため、院外処方箋には直近の検査値や体表面積、がん化学療法のレジメンを掲載し、薬量調整や副作用の早期発見など、薬剤の安全使用の推進を行っています。
また当院で運用されているがん化学療法のレジメンを当院webサイトに掲載しています。患者様へ副作用の発現状況を記載した治療計画等の文書の交付、地域の薬局薬剤師を招いた勉強会の開催(web開催も含む)、月一回の調剤薬局との連携会議の開催など、情報交換の場を設けています。
院外処方箋への検査値掲載に加え、腎機能低下時に注意を要する処方頻度の高い薬剤を中心に、適正投与量の一覧を作成し、近隣の調剤薬局にも配布を行っています。共通のツールを用いることで効果的な疑義照会の効率化や処方の適正化に努めています。
慢性腎臓病を抱える患者さんに対して、適切な処方を行うために、「CKDシール」によるCKD病診薬連携に取り組んでいます。
病院内には様々な医療スタッフと一緒に連携することがあります。運営方法を検討する委員会や、患者の情報を共有・サポートするための各種カンファレンスがあります。特にがん治療においては、キャンサーボードへ積極的参加し、抗がん剤投与におけるレジメンの審査・登録から、投与・副作用の対処法の提案など、日々医療の質の向上のため活動を行っています。
当院の緩和ケアチームは、患者様とご家族の訴えに真摯に対応し、意向に寄り添った緩和ケアを提供することで、患者様とご家族のQOL(生活の質、生命の質)が最大限に向上するように努めるということを目標とし、最善な治療を提供することを理念としております。
緩和ケアチームは医師、看護師、薬剤師、栄養士、臨床検査技師、ソーシャルワーカー等多くの職種で構成されており、週に一度のチーム回診において、各々の職能を存分に発揮できるような活動を心がけております。その中の薬剤師の役割としては、薬剤の副作用や相互作用を確認することはもちろんの事、近年新薬が数多く開発される中、患者様の希望に最大限配慮し、数ある薬剤の中から患者様個々に最善なものを提案していくことが求められています。
“リエゾン”とはフランス語で「連携・橋渡し・つなぐ」を意味します。当院の精神科リエゾンチームは精神科医師、認知症看護認定看護師、精神科専門薬剤師などで構成されており、精神医療と身体医療をつなぎ、患者さんへの包括的な医療を目指して、担当各科の医師や看護師と「連携」しながら活動をしております。
がんをはじめとする重大な病気は、患者さんの身体のみならず、こころにも影響を及ぼします。入院という環境の変化や身体疾患の影響で不眠や気持ちの辛さ、病気になってしまったやり場のない気持ち、他にも様々なことが起こりえます。薬剤師は精神科リエゾンチームの中で主に薬物療法(処方提案、効果や副作用確認など)を通して入院されている患者さんやご家族が、安心して治療が受けられるように活動しています。
栄養状態が悪いと、十分な治療効果を得ることができません。NSTでは治療効果をより高めるため、病態にあった食事や栄養剤、輸液の提案を行います。薬剤師は主に輸液や薬剤タイプの栄養剤の提案を行います。また栄養状態に相応しくない薬剤の使用の有無についての確認なども行います。
週に1回、医師や管理栄養士、検査技師、言語聴覚士などといった多職種とカンファレンス及び回診を行っています。介入依頼を受けた患者を中心に、質の高い栄養管理を提供できるように活動しています。
ICT/ASTのメンバーは、医師、看護師、薬剤師、臨床検査技師などの多職種で構成され、抗生剤の適正使用の推進、院内感染防止を目的として毎週院内感染ラウンドを行っています。薬剤師は、抗MRSA薬・カルバペネム薬・広域スペクトル抗菌薬の適正使用、緑膿菌患者の多剤耐性防止、菌培養検査の結果から適切な治療が行われているか等を確認・検討しています。
特に抗MRSA薬を投与する場合には血中薬物濃度モニタリング(Therapeutic Drug Monitoring ; TDM)を行うように規定し、解析結果をもとに薬剤師が直接医師に投与量、投与方法を提案しています。
スキンケアチームでは、褥瘡、皮膚トラブルの予防対策を図り、患者様の生活の質(QOL)の向上を目指しています。
褥瘡は、一般に「床ずれ」といわれる同一体位で圧迫や摩擦が続くことでできる傷のことです。
スキンケアチームは、医師、看護師、薬剤師、栄養士で構成されており、月に2回、カンファレンスやチーム回診を行っています。薬剤師は、褥瘡状態に適した内服・外用薬の提案や、薬剤の使用方法や保管方法についての評価など、様々な情報提供を行い、褥瘡治療に努めています。
ナースステーションにて医師、看護師、管理栄養士、医療ソーシャルワーカーなどの多職種と退院調整カンファレンスを行っています。患者の病態やこれまでの治療経過、退院予定日、今後のサポートの方針(転院・在宅訪問など)について情報共有を行っています。
病棟担当の薬剤師は、介入が必要な患者の退院に向けて、服薬指導を行い、服薬状況の確認や副作用予防のサポートを行います。
また、退院後も継続してケアが必要な場合は、訪問看護師などに入院時の介入状況を伝え、入院中も退院後も必要なケアが継続して行えるよう務めています。
入院中の患者様に対して、安全で、有効性があり、経済的な医療を提案するために、薬に対する副作用発現の有無や、治療効果、アドヒアランスの確認、相互作用などを、検査値や電子カルテの情報を確認しながら、薬剤管理指導を行っています。副作用の可能性があれば、医師・看護師に連絡し、処方変更を提案します。
またPBPM(Protocol Based Pharmacotherapy Managementプロトコールに基づく薬物治療管理)を実施しており、医師の代行処方・修正なども行っています。
病棟担当の薬剤師は、ICU以外の各病棟に2名~3名配置しています。病棟ごとに様々な診療科が割り振られており、病棟によって疾患に特色があります。病棟担当を決める際は、新人薬剤師から担当したい病棟の希望を募り、極力希望に沿った病棟を割り当てます。各病棟担当には必ず先輩薬剤師がいるので、新人でも安心して薬剤管理指導を実施しています。
「治験」とは、新薬の誕生の過程で、ヒトでの効果と安全性を確認し、薬として承認を得る為の試験のことです。
当院では、治験コーディネーター(Clinical Research Coordinator:CRC)1名(看護師)、事務員1名、薬剤師数名で治験業務を分担しています。薬剤師の業務としては、治験薬払い出しのフロー作成、フローに基づく治験薬の払い出し、適切な条件下での管理や併用禁忌薬のチェックなどがあります。治験業務は、薬剤科のみで完結する業務ではないため、関連部署との連携が重要になっており、円滑で安全な治験薬の払い出しを目指して日々業務を行っています。当院は電子カルテシステムを導入しています。病棟、診察室で医師が処方入力したものを、薬剤師は電子カルテを用いて、患者個々の病態や検査値、処方歴等を確認し調剤前処方監査を実施します。
処方内容に疑義がある場合は、医師に疑義照会し、修正を依頼します。処方内容に問題が無ければ処方箋を発行します。処方監査を支援するシステムを導入しており、重複薬剤、相互作用などが自動的にチェックされます。処方箋発行後、散薬、水薬監査システムや自動錠剤分包機、薬袋発行機にデータが転送されます。
薬剤師は発行された処方箋を基に、内服薬や外用薬を計数、計量調剤を行います。また、患者様が持参した薬の再分包も行っています。調剤された薬剤は最終監査を行い、処方の内容に疑義はないか、また疑義が解決されているか、処方箋の内容通りに調剤されていることを確認し、病棟へ払い出します。
処方箋の発行と同時に、調剤支援システムにより、重複薬剤や相互作用などが自動的にチェックされます。処方内容に問題がある場合は、この時点で処方情報がストップし、処方箋発行など調剤が行われません。
薬剤師がその都度内容の確認を行い、必要時問い合わせを行っています。
薬袋発行機からは、薬袋に病棟名、患者名、服用時点、処方日数、薬品名、1回服用量などを印字して薬袋が発行されます。
院内製剤とは、医師の依頼に基づき、経済性、安定性の面から市販されていない薬剤を、薬剤師が院内で調製する薬剤です。当院では69種類の院内製剤(クラスⅠ:22種類、クラスⅡ:21種類、クラスⅢ:26種類)があります。
当院で採用している約700種類の内服薬や外用薬がストックされています。同一銘柄で複数規格がある薬剤は配置場所を離し、さらに『複数規格あり』と記載し、取り間違えないよう注意を促しています。
散薬台
散薬を秤量するところです。処方箋に印字されたバーコードを専用のリーダーで読み取らせ、処方内容を呼び出します。装置瓶に貼付しているバーコードを読み取らせ、処方内容と一致した薬剤であれば、秤量することが出来ますが、間違っていると、アラーム音が鳴り、秤量することが出来ません。約100種類の散薬があります。
水薬台
水薬を秤量、軟膏を混合するところです。調剤の流れは散薬と同じです。約20種類の水薬と、約10種類の軟膏があります。また、短時間での軟膏の混合を可能にする機械も導入しております。
患者様が持参した薬について、薬剤の現物やお薬手帳、薬剤情報提供書などの情報をもとに、薬効や用法用量、当院採用薬であるか否か、代替薬の有無を調べることを鑑別といいます。その結果を電子カルテ上で医師へ報告し、医師は鑑別結果を見て持参薬の継続、中止を決定します。
最終監査とは、処方内容や調剤された薬剤を最終的にチェックすることを言います。用法用量が適切であるか、調剤された薬剤が間違っていないかなどを確認します。
注射剤を取り扱う仕事を薬品庫業務としています。注射剤の取り揃えは、主に注射薬自動払出装置(オートアンプルディスペンサー:AAD)、通称アンプルピッカーにより機械化され、患者毎に一施行単位で自動的に取り揃えられます。監査支援システムにより投与量や投与経路、配合変化等が確認され、薬剤師は、処方箋や検査値をもとに薬剤を最終監査し、払い出しを行います。病棟への搬送は、専用のカートを利用し届けられます。
また、無菌調剤室・ハザード室があり、ここでは、取り揃えられた抗がん剤や高カロリー輸液のミキシングが行われ、調製後、各病棟・外来化学療法室へ供給されます。
注射薬自動払出装置(AAD)には、バック輸液製剤やアンプル・バイアル製剤が約150種類充填されており、機械が自動的に薬剤を取り揃え、患者個人毎に、一施行毎にセットされます。
機械から出てきたトレイには、患者名や投与日が自動表示されます。薬剤の他に、投与ラベルや注射薬処方箋も一緒に添付されてきます。トレイの表示も個人情報に配慮し、自由に切り替えることができます。
AADで取り揃えられた薬剤を、注射薬処方箋に印字された検査値などを参照して、適正な処方か最終確認を行います。
化学療法については、レジメンオーダと呼ばれるシステムで管理しており、キャンサーボードで承認を得たプロトコールのみ使用することができ、投与量(生涯投与量)や投与間隔など管理することができます。薬剤師は、抗癌剤の投与量や投与間隔、適切なレジメン選択かどうか、副作用に対する支持療法の必要性、B型肝炎の再活性化のリスクは無いかなど多岐にわたって確認を行います。
抗癌剤をミキシングするためのハザード室と、高カロリー輸液などのミキシングを行うための無菌調剤室があります。どちらも無菌操作を行う場所である為、クリーンな環境に常に保たれています。
ハザード室には、安全キャビネットが2台あり、無菌調剤室にはクリーンベンチが3台あります。
調製者のさらなる安全面に配慮し、抗がん剤曝露防止のために、閉鎖式器具(CSTD)を用いてミキシングを行っています。
実績として抗癌剤のミキシングは入院・外来共に全件おこなっており、入院は約200件/月、外来約600件/月です。日曜・祝日投与するケースは少ないですが、その場合もすべて対応しています。
高カロリー輸液のミキシングは、投与する時間帯によって行っており、約50件/月ミキシングしています。
ハザード室
無菌調剤室
無菌調剤の調整風景①
無菌調剤の調整風景②
外来がん化学療法を受けられる患者は、点滴センターで抗がん剤の投与が行われます。
薬剤師は、抗がん剤の調製依頼のあった患者について、投与基準を満たしているかを検査値や診察記事など、電子カルテを見て確認を行います。疑義が生じた際は、医師へ疑義照会し、投与量の変更や、支持療法の追加提案などを行います。混注・投与してよいか最終確認を行い、問題が無ければ無菌調剤室にて注射剤の調製を開始します。そして、調製完了した抗がん剤を最終監査して、点滴センターの看護師へ確認しながら受け渡します。
ベッドサイドで治療スケジュールや副作用を中心に説明を行います。調剤薬局との連携にも力を入れており、調剤薬局に提出してもらうための、使用レジメン名や、現在の副作用状況等を記載した用紙を患者様へ渡しています。
PET/CT検査とは、がん細胞が正常細胞に比べて、より活発にブドウ糖を多く取り込む性質を利用した検査で、放射性同位元素にブドウ糖を結合させたFDGを静脈に注射して、FDGの集積する部位を機械で画像化します。この検査は、他の検査によりがん診断が確定した患者に対して、がんの「ステージ」「転移」「再発」を確認するために行います。
道南圏ではPET/CT施設は当院のみで、道外など遠方から来られる方もいらっしゃいます。
私たち薬剤師は、この検査で用いるFDGが、注射剤として使用できるかどうかを、無菌試験やエンドトキシン試験、半減期試験等の様々な品質管理試験を行って判定しています。
品質管理試験業務に携わるには、先輩薬剤師と一緒に約1ヵ月間練習を行ってから行います。写真付きのマニュアルやDVDもあるため新人薬剤師でも安心して業務を行うことができます。また、放射線被曝もほとんど無く安心して作業が行えます。
患者様が入院予約に来られた際に、すべての服用薬の中から休薬する薬の有無を確認し、当院で定めた休薬期間に準じて、休薬する薬剤と休薬日を説明します。
例えば、抗血小板薬のバイアスピリンであれば休薬期間は7日間としているので、手術の1週間前から服用を中止するよう指導をしています。
入院当日は、持参した薬剤の確認を行い、事前に指導した休薬日が守られているか、また入院前の薬の管理状況、アドヒアランスや副作用の有無なども確認しています。把握した患者情報は、病棟担当薬剤師へ情報提供し、入院時、退院時の薬剤管理指導につなげています。
入院中に持参した薬が無くなった時、医師がその代わりの薬を処方することがあります。薬剤師はその持参薬と同じ成分、もしくは薬効が同じ薬を代替薬として提案し、医師が切り替え処方をする際の情報提供をしています。
医薬品情報業務(DI業務)は、病院薬剤師として専門性を発揮すべき重要な業務です。当院では、数名の薬剤師がDI業務を担当しています。
主な業務内容は、採用医薬品のマスタ管理、医薬品情報の収集・管理・伝達・周知、医薬品に関する問い合わせへの対応、副作用報告等の安全管理です。
DI業務担当薬剤師が収集した医薬品情報は、信頼性の高い情報を選択し、専門的評価を行った上で利用します。収集した情報は、将来を考慮し汎用性の高い形式(データベース・院内ホームページ)で電子的に保管しています。保管の際には、必要とする医療従事者のニーズに合わせて加工します。
また、収集した情報は必要に応じて、該当者へ個別に伝達又は電子メールの配信、お知らせ用紙の配布等にて伝達・周知しています。
医師等からの医薬品に関する問い合わせについては、問い合わせ内容や返答の内容が分かるようにDIカードを作成し、情報の共有を目的として院内ホームページへ掲載しています。
院内における副作用発現事例については、医薬品・医療機器等安全性情報報告制度に則り、医薬品医療機器総合機構(PMDA)へ報告しています。
このように、情報の一元管理、データベースの構築と管理・活用等を目指して業務を行っています。