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【医療コラム】間質性肺炎とは?

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間質性肺炎は、現在日本人の死因の11位(約2万人)※1です。今回はこの病気について臨床検査技師が解説します。

間質性肺疾患とは

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間質性肺疾患(間質性肺炎)とは、肺の空気を入れる肺胞以外の、肺を支える機能をする”肺間質”が炎症などを起こす病気です。

間質性肺疾患には原因が判明しているものと、不明なものがあります。

原因が判明しているものとして、長期にわたる粉じんの吸入が原因で生じるじん肺や、真菌(カビ)などの反復吸入が発端となり、アレルギー反応によって発症する過敏性肺炎。
薬物(サプリメントや栄養食品を含む)の投与によって引き起こされる薬剤性肺炎などが挙げられます。

一方、原因が不明なものは、特発性間質性肺炎といいます。

病態

間質性肺疾患では、肺間質の線維化により肺が固くなってしまいます。それにより肺が膨らみにくくなり、肺活量が低下します。

また、肺のガスと毛細血管の間の通り道(間質)が、肥厚したり線維化することにより、酸素が毛細血管へスムーズに拡散できなくなること(拡散障害)も生じます。

出典・参考文献

※1 厚生労働省「令和4年(2022)人口動態統計月報年計(概数)の概況」,2023年6月

・2 医療情報科学研究所 編, 岡庭 豊「病気がみえる vol.4 呼吸器 第3版」株式会社メディックメディア,2018年12月

執筆情報

執筆者:函館五稜郭病院 臨床検査技師

掲載日:2025年2月20日

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