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【医療コラム】肺RFA(経皮的ラジオ波焼灼療法)について

函館五稜郭病院(以下、当院)では、肺の悪性腫瘍に対する治療法の一つである肺RFAが、一昨年より行われるようになりました。本治療について、診療放射線技師の視点から紹介いたします。

経皮的ラジオ波焼灼療法(RFA)とは?

 RFA(経皮的ラジオ波焼灼療法)とは、CTやエコーの画像をリアルタイムで観察しながら病変に対して電極針を刺して、そこから高周波電磁波を発生させることで、腫瘍に60~100℃の熱を与えて凝固壊死させる治療する方法です。

 RFAは局所麻酔下で病変に対してピンポイントで治療を行うため、身体への負担が少ないという利点があります。主に肝臓がんや肺がんなどに対して行われます。

肺RFAとは?

 肺RFAの治療の適応となるのは、原発性肺がん及び転移性肺腫瘍で、外科的切除を含む標準治療が困難、あるいは不適とされた場合となっています。

 また、原則、腫瘍と胸膜の距離が1cm以上ある事、腫瘍の大きさが1~2.5cm程度である事が適応条件となります。逆に、腫瘍が胸膜や縦郭に浸潤している場合や高度の肺気腫、間質性肺炎を合併している場合などは行わない方が良いとされています。

当院での治療について

当院では血管造影室でIVR-CTを用いて肺RFAを行います。術前に撮影したCTを参考に治療計画を決めます。治療直前にもCTを撮影し、事前計画と比較して、実際に穿刺する位置や方向を決め治療を開始します。

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治療開始後は電極針を低線量の連続CTを観察しながら穿刺し、腫瘍に対してアプローチを行います。腫瘍に到達した後、電極針の位置を3次元的に確認するためにもう一度CTを撮影します。(図1)

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電極針の位置が問題なければラジオ波を発生させ治療を行います。RFA後は、気胸や血胸になっていないかをCTで確認し、必要があればドレナージなどの処置を行い検査は終了となります。(図2)

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今後も、体に負担の少ない治療の選択肢のひとつとして、肺RFAの活用が期待されます。

執筆情報

執筆者:函館五稜郭病院 診療放射線技師

掲載日:2025年5月20日

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