シリーズ 睡眠でお困りの方へ
-第1回 睡眠ついて-
日本人、特に子供たちや就労者の睡眠時間は世界で最も短いと言われています。近年では、睡眠に関する悩みを抱えている日本人は成人の約20%に達するとも言われています。
「眠り」と「覚醒」の仕組み
私たちの眠りと覚醒は、次の2つのシステムによって成り立ちます。
①ホメオスタシス(恒常性維持機構)
疲れた体を癒すための「睡眠欲求」のことです。
睡眠欲求は目覚めている時間が長いほど強くなります。
②サーカディアンリズム(生体時計機構)
時刻に関係した「眠気」のことです。
体内時計によって1日の決まった時刻に増大し、睡眠欲求を上回ることで目覚めます。
体内時計とホルモン
睡眠に影響する体内時計は次の生体内物質(ホルモン)が関係しています。
①メラトニン
睡眠を促すホルモンです。朝に光を浴びた14~16時間後に脳から多量に放出されることで夜に眠気を起こします。
②副腎皮質ホルモン
睡眠を抑制するホルモンです。分泌されることで、脈拍や血圧を上昇させる働きがあります。
③セロトニン
覚醒を促すホルモンです。朝に日光を浴びることで分泌されると言われています。
厚生労働省は睡眠障害に対して「睡眠障害対処12の指針」を勧めています。
詳細が気になる方は、当院で配布中の冊子『睡眠でお困りのあなたへ』にも詳しく記載されているのでチェックしてみてくださいね。動画版もYoutubeにて公開中です!
執筆情報
執筆者:函館五稜郭病院 中村 薬剤師
掲載日:2022年7月30日