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新型コロナウイルス検査とは?

新型コロナウイルス検査の検体採取方法

新型コロナウイルス検査は綿棒で鼻や鼻の奥をぬぐった液や唾液を使用して検査可能と言われていますが、当院では鼻の奥深くまで綿棒を入れてぬぐう「鼻咽頭ぬぐい液」を採取して検査に使用しています。

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①鼻咽頭ぬぐい液

新型コロナウイルスは上気道から感染すると言われています。患者さんにとって鼻の奥深くまで綿棒を入れるのは辛い検査になりますが、一番感度が良いと言われる「鼻咽頭ぬぐい液」を使用して検査しています。

②鼻腔ぬぐい液

最近では薬局やインターネットでも個人で抗原検査キットを購入できるようになり、自分自身で検査する場合は鼻から2cm程度綿棒を入れてぬぐう「鼻腔ぬぐい液」を使って検査しますが、鼻咽頭ぬぐい液に比べると鼻腔ぬぐい液は感度が下がると言われています。

③唾液

唾液も検査可能と言われますが、当院で使用しているPCR検査装置の中には唾液を検体として検査できない検査装置があること、唾液を使用する場合、採取直前の飲食・うがい・歯磨きにより偽陰性になる可能性があることから、現在唾液を使った検査はしていません。
※偽陰性:本当は感染しているのに陰性と判定されること

抗原定性検査とPCR検査の違い

当院での新型コロナウイルス検査は、抗原定性検査とPCR検査の2種類を実施しています。それぞれ特徴をご紹介します。

種類 抗原定性検査 PCR検査
概要 抗原定性検査は新型コロナウイルス特有のたんぱく質(抗原)を調べて感染の有無を判定する検査です。一般に抗原検査と言えば検査キットを用いて検査する抗原定性検査のことで、陽性か陰性かを判定する検査です。 PCR検査はポリメラーゼ連鎖反応(Polymerase Chain Reaction)の略で、ウイルスの遺伝子(DNA:デオキシリボ核酸)を増幅して感染の有無を判定する検査です。
検査時間 検体採取してから結果が出るまでに15分程度 検体採取してから結果が出るまでに3~4時間
特徴 ・検査キットを用いた検査のため特別な検査機器は不要
・短時間で結果がわかる
・ある程度のウイルス量がないと反応しないため、PCRに比べて感度が下がる
・無症状の場合、感染していても陰性になる可能性がある
・結果が出るのに時間がかかる
・少量のウイルスでも増幅して検出できるため、抗原検査に比べて感度が高い
・感染後数週間経過し感染性のないウイルスにも反応して陽性になることがある

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このように2種類の検査はどちらも長所・短所があり、100%正しく判定できる検査はないため、当院では2種類の検査を組み合わせて、現在、新型コロナウイルスに感染しているかどうかを判定しています。

執筆情報

執筆者:函館五稜郭病院 臨床検査技師

掲載日:2022年10月30日

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