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シリーズ 睡眠でお困りの方へ
-睡眠ついて 第3回-

 睡眠薬の中には、長期間の服用によって薬が効きにくくなったり、急にやめるとその反動で前よりも強く不眠が生じたりすることがあります。

 また、転倒・認知症・せん妄(日にちや場所がわからなくなったり、あるはずの無い物が見えたり、夢か現実か分からなくなったりする症状)が生じやすくなる睡眠薬もあることがわかってきました。

 しかし、睡眠薬を正しく服用することで安全に睡眠を改善することが可能となるため、今回は睡眠薬全般における服用の注意点やポイントについてお話しします。

睡眠薬を処方された時のポイント

1
お酒と一緒に服用すると、アルコールと睡眠薬の両方の作用が強くなってしまい、ふらつきや一時的な記憶障害などの副作用が出現するため、絶対に併用しないでください。

2
睡眠薬は自然な睡眠のリズムに沿って服用してください。やらなければならない家事や作業が残っているにも関わらず睡眠薬を飲んでしまうと、ふらつきや事故の原因になりかねません。

3
睡眠薬の中には、他の薬と相性が悪いものがあります。その場合、お互いの成分の吸収が遅れたり、効果が出すぎてしまう場合があるため、主治医や薬剤師へ飲んでいる薬をお知らせください。

4
睡眠薬の種類や年齢にもよりますが、服用後20~30分ほどで効果が現れ始めます。睡眠薬服用後に長く起きて活動していると、ふらつきや一時的な記憶障害になってしまう可能性があります。

5
睡眠薬にはたくさんの種類があり、一人ひとりに合った薬が見つかるまでに何種類か試すこともあります。効果の実感や副作用についてはためらわずに主治医へ相談してください。

6
薬の量を急に増やしたり、中断してしまうとかえって眠れなくなってしまうことがあるため、医師の指示する量を守って服用してください。同じ睡眠薬でも、一人ひとりに合う量が異なるため他人に譲ることもしないでください(法律においても、他人への薬の譲渡は禁止されています)。

睡眠に関して正しい知識をもち、快適な眠りに就いていただけたら幸いです。

執筆情報

執筆者:函館五稜郭病院 薬剤師

掲載日:2023年1月10日

参考文献・引用など

・睡眠薬の適正な使用と休薬のための診療ガイドライン(厚生労働省科学研究班・日本睡眠学会ワーキンググループ)

・第3版 睡眠障害の対応と治療ガイドライン(内山真 編 ,じほう)

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