函館五稜郭病院

函館五稜郭病院 > 医療コラム > あなたの食生活‼ココが問題?~太る原因は「アルコール」にあった~

あなたの食生活‼ココが問題?
~太る原因は「アルコール」にあった~

1

「お酒が唯一の楽しみ」「ストレス発散のために飲む」という方は少なくありません。しかし“アルコール太り”や“ビール腹”という言葉があるように、アルコールは思いのほかカロリーが高く、太る原因となります。また飲み過ぎは肝臓への負担にもなります。

「肝臓の働き」や「アルコールが体に及ぼす影響」をしっかりと理解し、お酒と上手に付き合う方法を考えてみましょう。

無口で我慢強い?働き者の肝臓!

肝臓は私たちが食べたり、飲んだりしたもの全ての成分を分解・処理する働きを担っています。「沈黙の臓器」と言われるほど、苦しい時にも寡黙にひたすら働き続けます。肝臓の機能が80%以上低下するまで自覚症状が現れないとも言われています。

2

肝臓の4つの働き

●栄養素を貯える
栄養素(炭水化物・たんぱく質・脂肪)を分解、グリコーゲンなどに作り変え、貯蔵する。

●消化吸収を助け不要なものを排出
胆汁を作り、腸の消化吸収を助け、不要なものを排泄する。

●たんぱく質を合成
たんぱく質を合成し、体のもととなるアルブミンを作る。

●有害物質を解毒
アルコールや薬物、食物中の有害物質を分解・解毒する。

飲酒をした時のカラダの反応

その1:吸収

 体内に入ったアルコールは胃で20%、小腸で80%吸収される。

その2:分解

吸収されたアルコールは血管を通って肝臓に運ばれる。
肝臓はアルコールの分解を最優先して働き始め…
アセトアルデヒト※ → 酢酸 → 水+二酸化炭素 へ分解される。

※アセトアルデヒトとは…飲酒時に顔が赤くなったり、動悸や吐き気、頭痛などの原因物質です。

その3:余ったアルコール

余ってしまったアルコールは、肝静脈を通って心臓に送られ、全身を巡って、再び肝臓に戻って分解が始まる。

その4:一緒に食べたおつまみ

アルコールが分解される間、おつまみの処理は後回しに…処理しきれない分が脂肪に変わり、肝臓や内臓脂肪に蓄積。

その5:弱る肝臓

肝臓の貯蔵機能が低下し、満腹感を感じず過食傾向に…

3

1年後のあなたは、どうなっている?

4

 もう一杯だけ・・・そんな積み重ねが1年も続いてしまうと体重は簡単に増加してしまいます。

 締めのラーメンやデザートにもご注意!カロリー過剰の原因です。
(ラーメン1杯…約500kcal、お茶漬け…約280kcal、アイスクリーム…約260kcal)

脱★アルコールのコツ‼

その1~飲み方を見直そう

5

●飲酒前に!

お酒の前に、牛乳や野菜スープなどでお腹を軽く満たしておきましょう。

●カロリーオフ商品に挑戦!

糖質やカロリーを抑えた商品を試してみましょう。糖質0やカロリーオフ=カロリー0ではないので注意しましょう。

●お酒は割って飲みましょう!

ロックやストレートはやめ、お酒を割って飲むようにしましょう。飲み過ぎ防止とカロリーダウンのダブル効果を得られます。

●休肝日は週2回が理想的!

肝臓を休めるのはもちろんのこと、カロリーダウンで体重にも大きな変化をもたらします。宴会など予定がはっきりしている時は、あらかじめ前後で休肝日を取り入れてみましょう。

●飲む以外の楽しみを!

飲酒以外で楽しみを見つけましょう。運動や音楽を聴くなどでストレスを発散しましょう。

●お酒をご飯代わりにしない!

カロリーは調整できても、栄養バランスが崩れたり、肝臓にも負担が増します。また、食事の後に飲酒することで、おつまみの量も抑えられます。

その2 ~ おつまみを見直そう

6

●油はカット!低カロリーなおつまみを!

揚げ物よりも、煮物や焼き物、蒸し物を。肉料理よりも野菜料理を。素材の味を活かした料理を選びましょう。

●おつまみは和食を!

中華や洋食は脂質過剰になりがちです。比較的脂質が少なく、バランスのよい和食でカロリーを抑えましょう。

●味付けは薄口で!

味の濃い、しょっぱいものは余計な食欲増進につながります。薄口にして、酢の物など酸味を選んでみましょう。

●肝臓を労わるおつまみ!

肝臓の働きを高める「たんぱく質・ビタミン・ミネラル」をしっかり摂れる食材を選びましょう。

その3 ~ 適量を知ろう

7

●アルコールの望ましい量は「1日1合」です

次の種類ごとに1合の量が目安となります。

日本酒~1合180ml

ワイン~2杯240ml ※1合換算

焼酎(25%)~90ml ※1合換算

ウイスキー(ダブル)~1杯60ml ※1合換算

缶ビール~1本500ml ※1合換算

執筆情報

執筆者:函館五稜郭病院 保健師

掲載日:2023年3月10日

page top