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看護場面とナイチンゲールの『看護覚え書』その4

 「看護覚え書」はフロレンス・ナイチンゲールによって1859年に書かれた「Notes on nursing : what it is, and what it is not 」の完訳で、現在も看護の思想の原点としてすべて看護を学ぶ者の必読書と言われています。

 このコラムは当院看護師が実際の看護場面を振り返り、「ナイチンゲールの『看護覚え書』」と照らし合わせた学びをご紹介します。

シーン
手術室スタッフ全体でつくる、あたたかい雰囲気での迎い入れ

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手術を受ける患者は皆、手術を受けるという状況や、日常とは異なる環境にとても緊張し、硬い表情で入室される。

前室に入室された時から担当看護師はやわらかい口調、笑顔で迎い入れ、担当ではない看護師も必ず患者に目と体を向けあいさつをする。担当看護師は患者の目線に合わせて必要な事項の確認をする。

その際にも寒期間には温めたタオルをかけるようにしており、患者から「あったかくて気持ちいいねぇ」と緊張が和らいだ表情になる。

看護師の振り返り

-ナイチンゲールの看護覚え書より

何かに対して≪使命≫を感じるとはどういうことであろうか?

それは何が≪正しく≫何が≪最善≫であるかという、あなた自身が持っている高い理念を達成させるために自分の仕事をすることであり、もしもその仕事をしないでいたら「指摘される」からするというのではない、ということではなかろうか。

(中略)看護師は自分自身の理念の満足を求めて病人の世話をするのでないかぎり、ほかからのどんな≪指示命令≫によっても、熱意をもって看護することはできないであろう。

引用 F.ナイチンゲール 著『看護覚え書』湯槇ます・薄井坦子・小玉香津子・田村真・小南吉彦 訳・現代社・第7版・2011年 pp230-231

今回の学び
-看護師は自分の仕事に使命感を持つべきである-

 客観的に自分たちの行っていることを観た時、自然の流れのようにそれぞれが「あたたかく迎い入れよう」「緊張をほぐそう」という意識を持って行っていることに気付いた。患者によって捉え方は異なるとは思われるが、そのような意識、気持ちを持って対応していくことが大事と感じた。

執筆情報

執筆者:函館五稜郭病院 看護部

掲載日:2023年6月10日

出典

フロレンス・ナイチンゲール 著『看護覚え書』湯槇ます・薄井坦子・小玉香津子・田村真・小南吉彦 訳・現代社・第7版・2011年

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