呼吸機能検査について知ろう

呼吸機能検査は複数ありますが、呼吸機能の状態を簡単に把握するための検査です。今回はこの検査と病気についてご紹介します。
呼吸機能検査は複数ありますが、呼吸機能の状態を簡単に把握するための検査です。今回はこの検査と病気についてご紹介します。
呼吸機能検査は複数ありますが、呼吸機能の状態を簡単に把握するために、主に2種類行われることが多いです。その検査とは、肺活量と努力性肺活量です。
肺活量の検査は、ご存じの方も多いと思いますが、「肺の大きさ」をみていて、どれだけの量を吸ったり吐いたりできるかを調べます。
努力性肺活量の検査は、どれだけ強く、一気に最後まで吐ききることができるかを調べます。
肺が広がらないために息が吸えない状態で、肺線維症、間質性肺炎などでみられます。
空気の通り道が狭く、肺が広がったまま息が吐けない状態で、慢性肺気腫、慢性気管支炎などでみられます。この状態では、先ほどご説明した努力性肺活量の検査において、一気に息を吐くことができないため、あまりよい結果が得られないことが多いです。
息を吸うのも吐くのも苦しい状態で、進行した肺気腫、慢性気管支炎などでみられます。
慢性閉塞性肺疾患(以下、COPD)とは、たばこの煙などの有害物質を長期的に吸入することで生じた、肺の炎症性疾患をいいます。
この状態になると、酸素を体の中に取り入れる肺胞という部分が膨らみすぎたり、壊れたりして酸素の取り込みがうまくできなくなります。症状としては、体を動かしたときに呼吸が苦しくなる状態が徐々に進行する、慢性的に咳が出たり、痰ができやすくなるなどが挙げられます。呼吸機能検査は、COPDの診断には欠かせない検査です。
これまで呼吸機能検査について紹介してきました。普段の生活の中でふと息苦しさを感じた際には、お気軽にご相談ください。
・ 監修 一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会「JAMT技術教本シリーズ 呼吸機能検査技術教本」2016年
執筆者:函館五稜郭病院 臨床検査技師
掲載日:2023年6月30日