函館五稜郭病院

函館五稜郭病院 > 医療コラム > 【医療コラム】薬を飲み忘れたとき、どうすればいい?

【医療コラム】薬を飲み忘れたとき、どうすればいい?

薬の飲み忘れはなぜ起こる?

img

薬の飲み忘れに関する意識調査(2014年,日本調剤株式会社)ついてご紹介します。

「これまでに1ヵ月以上継続して薬を処方されたことがある」全国の 20 代~60 代以上の男女 1,021 人を対象

半数以上の人が処方薬に飲み残しが生じることがあると回答(「よくある」14.7%+「たまにある」39.2%)。中でも、最も飲み残し薬が生じる人の割合が高いのは20代男女、最も少ないのは50代男性だった。

飲み残し薬が生じる理由で最も多いのは、「服用するのをつい忘れてしまうから」65.8%。次いで、「体調回復などにより飲む必要がなくなったから」30.0%、「指示通りに飲まなくてもよいと思うから」10.9%。

出典・引用:日本調剤株式会社「処方薬の飲み残しに関する意識調査」2014年(https://www.nicho.co.jp/corporate/newsrelease/11546/)

以上の調査結果からは、高齢者に限らず、若年層にも「薬の飲み忘れ」や「自己判断による中止」が起きていることがわかります。

薬の服用を中断する影響

飲み忘れや自己判断などにより服用を中止してしまった場合、以下の可能性が考えられます。

①治療効果が十分に得られない

薬の中には、抗生物質や抗ウイルス薬のように、症状が改善しても処方されたすべてを飲み続けなくてはならないものも少なくありません。服用中止により、それまでの治療効果の低下や消失につながるおそれもあります。

②副作用のリスクが高まる

薬は、用法・用量を守り正しく服用することで、期待された効果を発揮します。過量投与による副作用ばかりが注目されがちですが、飲み忘れも副作用を引き起こす原因のひとつです。

③疾患の重篤化

例えば、降圧剤や抗血小板剤などの服用を自己判断でやめてしまうことは、脳梗塞や心筋梗塞などの深刻な病気を引き起こしてしまう要因になります。

薬を飲み忘れた際の対応

お薬を飲み忘れた時、次の服用までに時間の間隔がある場合は、飲み忘れに気づいた時点ですぐに飲みましょう。

次のお薬を飲む時間が近い場合は1回飲むのをやめるか、または気づいた時点ですぐにお薬を飲んで、次に飲むお薬の時間の間隔をあけるようにします。時間の間隔の目安は、一般的には以下の通りです。

  • ・1日3回飲む薬の場合、4時間以上
  • ・1日2回飲む薬の場合、6時間以上
  • ・1日1回飲む薬の場合、8時間以上

1回飲み忘れたからといって、2回分のお薬を一度に飲まないでください。

なお、お薬によっては服用するタイミングが厳密に決められている場合もあります。ご自身に処方されたお薬の飲み忘れた場合の対処法については、あらかじめ薬剤師等へ確認していただくと安心です。

※各薬剤の飲み忘れ時の対応について「患者向医薬品ガイド」(Web版)にも記載がありますので、ご参照ください。

page top