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【医療コラム】入院前に知っておきたい『せん妄』の話

『せん妄』という疾患をご存知でしょうか?あまり聞き馴染みがない疾患のため知らない方も多いかもしれません。しかし、『せん妄』は入院中の生活の質に大きな影響を与えてしまいます。今回はそのせん妄について解説していきたいと思います。

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【せん妄の症状】

  • ・不眠、昼夜逆転
  • ・見当識障害:日付、時間、場所などが分からなくなる
  • ・幻視、幻覚:あるはずのないものが見えたり聞こえたりする
  • ・興奮、易怒性:暴力的な言動をしてしまう

これらの症状が日内変動を伴って生じます。特に夕方頃から症状が出てくることが多いです。無意識に長時間眠ってしまった後の寝ぼけているような状態の症状と言えます。

【せん妄の起こりやすい人】

リスク因子を持っている方はせん妄を発症しやすいことがわかっています。

  • ・年齢(75歳以上の人)
  • ・せん妄リスクの高い薬を内服している
  • ・アルコールを多量に飲んでいる(飲んでいた)
  • ・疾患による体調変化(感染症、炎症、脳血管疾患既往など)
  • ・環境の変化(入院、手術など)

【せん妄は一生続く?】

せん妄症状は一時的なものであり、適切な対応を行うことで症状を抑えたり予防することが可能です。

  • ・主治医確認の上で、せん妄リスクの高い薬を中止・減量
  • ・時間や日付がすぐに分かるように時計やカレンダーを用意する。
  • ・睡眠のリズムを整える

【入院前からできる、せん妄予防】

ここまでお話ししてきたせん妄ですが、入院前からの対策で予防することも可能です。

  • ・主治医確認の上で、せん妄リスクの高い薬を中止・減量
  • ・時間や日付がすぐに分かるように時計やカレンダーを用意する。
  • ・睡眠のリズムを整える

より良い睡眠のために・・・

当院では患者様の睡眠サポートのために、睡眠に関する冊子を2種類ご用意しています。外来、病棟に配置しておりますのでご自由にお取りください。配置場所が分からない時はスタッフにお声がけください。また、気になる点がありましたらご相談ください。

参考文献

・内山 真「睡眠薬の適正な使用と休薬のための診療ガイドライン」2019年6月,羊土社

・井上真一「せん妄診療実践マニュアル」2019年10月,羊土社

執筆情報

執筆者:函館五稜郭病院 薬剤師

掲載日:2023年11月30日

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