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【医療コラム】”頭痛”とは?

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今回は多くの人が経験している「頭痛」について、理学療法士の視点から解説します。

頭痛の種類

 頭痛の種類には、「一次性」と「二次性」があります。

一次性 二次性
緊張型頭痛
片頭痛
群発頭痛
など
脳腫瘍
クモ膜下出血
脳卒中
など脳や頭部の病気の症状

今回は、一次性に分類される緊張型頭痛について解説します。

緊張型頭痛とは

緊張型頭痛は一次性頭痛の中で最も多い頭痛の一つであり、世界人口での有病率は38%。女性のほうが男性よりも一般的に有病率が高くなっています。※1

そして、有病率が高いにもかかわらず、その病態の原理には未解明なことが多いとされています。

症状

緊張型頭痛は、30分から7日続き、圧迫されるような、あるいは締めつけられるような非拍動性の頭痛で、多くは片側ではなく両側に痛みがでます。

頻度が少なく、かつ日常生活に支障がない場合には治療は必要ありませんが、頭痛によって日常生活が制限される場合や頻度・症状がひどくなる場合には治療が必要です。

治療

薬物療法と非薬物療法があります。非薬物療法は、筋電図バイオフィードバック療法・認知行動療法・ストレスマネジメント・リラクゼーション・理学療法などが行われています。

「頭痛ダイアリー」を付けてみよう

実際にどういったことが頭痛に関係しているかを知るきっかけに頭痛ダイアリー※2などを用いて自分で記録してもらうことがあります。例として下記のように、その日にあった出来事を記録していきます。

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大塚製薬「頭痛の悩み.jp」

自分で症状や対処行動を記録することで、それまで自覚していなかった心身の関係に気付いたり、パターン化している対処行動を確認したりすることができます。

予防や症状軽減が期待できる「頭痛体操」

最後に頭痛に対して効果的である頭痛体操※3を紹介します。

首や肩の筋肉をほぐすのがよいとされていますが、筋肉の表面には筋膜というものがあります。その筋膜は腰から背中まで繋がっているため、首のみのストレッチではなく上半身全体をほぐすほうが効果的といわれています。

日本頭痛学会「1日2分の頭痛体操」

頭痛は誰しもが経験したことがあると思います。症状が酷いときは我慢せずに一度受診をしてみましょう。

注釈・参考文献等

※1 慢性頭痛の診療ガイドライン2013「慢性頭痛の診療ガイドライン2013」2013年5月, 医学書院, pp189-213

※1 原著 Stovner LJ, Hagen K, Jensen R, Katsarava Z, Lipton R, Scher A, Steiner T, Zwart JA : e global burden of headache : a documentation of headache prevalence and disability worldwide. Cephalalgia 2007 ; 27(3): 193-210.

※2 大塚製薬「頭痛の悩み.jp」(https://zutsuu-nayami.jp/)

※3 埼玉国際頭痛センター長坂井文彦 監修/一般社団法人日本頭痛学会「1日2分の頭痛体操」

執筆情報

執筆者:函館五稜郭病院 理学療法士

掲載日:2024年4月20日

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