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【医療コラム】腱鞘炎の再発を防ぐためには―ストレッチ&アイシング―

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腱鞘炎は再発しやすい疾患の一つです。再発予防の自主トレーニングとセルフケアの方法を、作業療法士がご紹介します。

腱鞘炎とは

腱鞘炎とは、手指を曲げる腱とそれを押さえる役割をする腱鞘の間で起こる炎症です。

症状は、手指の腫れ、熱っぽさ、手を使ったときの痛み、夜間痛、朝のこわばりです。

重症化すると、『パチン』とバネが外れるように手指が伸びるため(弾発現象)、バネ指とも呼ばれる他、自力で手指を戻せなくなることもあります(ロッキング)。

漁師、農家、水産加工業等、手を酷使する人に多く、女性、特に周産期と更年期の女性に多いことから女性ホルモンの影響もあると言われています。

腱鞘炎の治療とリハビリテーション

腱鞘炎の治療は、手指の安静、夜間装具の装着、手指のストレッチ、アイシング、腱鞘内のステロイド注射です。

腱鞘内へのステロイド注射は痛いものの注射後、改善する方が多いです。再発を繰り返す場合、日帰りで手術をする場合もあります。

指のストレッチとアイシング

腱鞘炎は再発しやすく、使いすぎを控えて安静にすること、夜間装具の装着、ストレッチの継続、アイシングが重要となります。20-30秒の手指のストレッチ、10-15分程度のアイシングを1日3-4回程度に実施しましょう。

腱鞘炎を悪化させる2つの習慣

①頻回な手指の曲げ伸ばし

②入浴中の手指の運動

炎症を起こして腫れて、熱っぽくて、痛いときに頻回に手指を曲げ伸ばしたり入浴で温めたりすると炎症が再燃し腱鞘炎を悪化させます。

参考文献

阿部圭宏:手疾患の診断と治療,MB Orthopaedics,28(1),27-36,2015

西田淳,畠中孝則,宍戸孝明他:PIP関節屈曲拘縮を有する屈筋腱腱鞘炎の治療,日本関節病学会誌,37(4),401-406,2018

執筆情報

執筆者:函館五稜郭病院 作業療法士

掲載日:2024年9月30日

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