【医療コラム】どうしてMRIはこんなにうるさいの?

みなさんは「MRI検査」を受けたことがあるでしょうか?
「名前は聞いたことがある!」「ドラマで見たことはある!」という方もいらっしゃるかもしれません。
ただ、ドラマなどのテレビでその装置を見たことがあったとしても、そこで発生している「音」については知らない方も多く、初めて検査をされる方で「こんなにうるさいとは思わなかった!」と言われる方も少なくありません。今回は、その音の発生する原因を診療放射線技師が解説します。
みなさんは「MRI検査」を受けたことがあるでしょうか?
「名前は聞いたことがある!」「ドラマで見たことはある!」という方もいらっしゃるかもしれません。
ただ、ドラマなどのテレビでその装置を見たことがあったとしても、そこで発生している「音」については知らない方も多く、初めて検査をされる方で「こんなにうるさいとは思わなかった!」と言われる方も少なくありません。今回は、その音の発生する原因を診療放射線技師が解説します。
MRIのMは磁気(Magnetic)の意味であり、とても強力な磁力が発生しています。
このMRI装置から画像を作る(検査を行う)ためには、そこにとても大きな電流を流す必要があります。
するとそこに「ローレンツ力」という力が発生してしまい、その力が機械内部の重さ1トン以上もある「傾斜磁場コイル」というものを動かし振動させてしまうのです(この力の方向はフレミング左手の法則の方向になります)。
この振動音が、あの「大きな音」の正体です。
それだけ重いものを動かす力が発生している訳ですから、その磁力や電力は相当なもので、検査前に「金属チェック」を行う理由の一つでもあります。
また、この電流の流し方を変えることで、様々な種類の画像や違った方向の画像が取得できるので、検査中は色々な音の種類や、違う音の大きさ、違うリズムの音がします。
ちなみに五稜郭病院では遮音用ヘッドホンや耳栓を用意しています。
このように「大きな音」がしてしまうMRIですが、それを上回る様々なメリットもあり、今日では数多くの医療現場で必要な検査機器となっています。
もしもMRIに関して、疑問や質問などございましたら、MRI受付窓口へお気軽にお問い合わせください。
執筆者:函館五稜郭病院 診療放射線技師
掲載日:2025年2月28日