【診療紹介】SPECT/CTについて
~第1弾 骨シンチグラフィ~
核医学画像とCT画像の融合による新たな画像の提供
当院では道南初となるSPECT/CT装置(NM/CT860)が稼働を開始しました(2023年5月29日時点)。
SPECTとCTが一体となった本装置では従来のシンチグラフィの画質向上のみならず、機能画像であるSPECT画像と形態画像であるCT画像をほぼ同時に収集し、両者を重ね合わせた画像を作成することが可能です。
また、当院導入検査機(NM/CT860)では搭載されるシンチカメラやコリメータの性能も向上しており、一部検査では撮影時間の短縮が可能となっております。
SEPCT/CTによる画像検査について、その特徴をシリーズでご紹介していきます。
骨シンチグラフィ検査
骨シンチグラフィは、放射性医薬品(RI製剤)を投与して、薬の動きを撮影し、レントゲン検査ではわかりにくい様々な骨の状態を詳しく調べることができる検査です。
核医学検査で最も件数の多い検査であり、骨転移や骨髄炎など骨疾患の診断に多く使用されています。
旧来のSPECT装置による骨シンチグラフィでは表裏2方向の全身画像のみであり、RI製剤の集積具合が白黒画像の濃淡として表現されています。
新しく導入された、SPECT/CTでは、SPECT画像とCT画像を融合させることで、CT画像上にRI薬剤の集積具合を反映させた画像を作成することが可能となり、より正確な解剖学的情報と機能的情報を得られます。
※SPCET/CTによる骨シンチグラフィの3D画像
※SPCET/CTによる骨シンチグラフィのコロナル断面画像
当院では、積極的に新しい技術・知識を取り入れ、より質の高い医療を患者さんに提供できるよう、今後とも研鑽して参ります。
執筆情報
執筆者:函館五稜郭病院 PETセンター/診療放射線技師
掲載日:2023年7月15日