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「トルカプ錠のためのコンパニオン診断結果サポートプログラム」による、無償でのFoundationOneCDx検査について

トルカプ錠(一般名:カピバセルチブ)は、内分泌療法後に増悪したPIK3CA、AKT1又はPTEN遺伝子変異を有するホルモン受容体陽性かつHER2陰性の手術不能又は再発乳がんに対する治療薬です。

当該治療薬の使用にあたっては、がん遺伝子パネル検査であるFoundationOneCDx検査(以下F-One検査)を実施し、PIK3CA、AKT1、PTENのいずれかの遺伝子が変異していることが条件となっています。

しかしながら、がん遺伝子パネル検査の実施は標準治療の終了の場合や終了見込などのがん患者が対象となっているため、当該治療薬を適切なタイミングで使用することが難しくなっています。

そのため今回、アストラゼネカ社が提供する「トルカプ錠のためのコンパニオン診断結果サポートプログラム」を活用し、トルカプ錠が必要な患者さんに対して適切なタイミングで使用開始できるよう取り組みを開始致します。

なおこのプログラムで実施したF-One検査については、その検査費用自体は患者さんの負担はなく、アストラゼネカ社による無償検査となります。

ただしF-One検査以外の部分として、診察や画像診断、その他検査、投薬などにかかる費用は通常どおり、健康保険を使用して患者さん本人の負担となります。

当該プログラムによる治療を検討・必要な場合には、対象となる条件や注意点を理解の上、Step1~Step3に則って検査を依頼して下さい。

このページの記載内容は次のPDFデータからも全てご覧になれます。

トルカプ F-One コンパニオン無償検査についてのお知らせ

対象条件

➀アストラゼネカ社の「適格確認票」において、【選択基準】が全て「はい」、かつ【除外基準】が全て「いいえ」の患者のみ対象となります。

〔選択基準〕6項目全てに該当すること

  •  □ 本プログラムの参加に同意した患者
  •  □ 閉経前及び/又は閉経後の成人女性患者、ならびに成人男性患者
  •  □ ホルモン受容体陽性かつHER2陰性の手術不能又は再発乳がん患者
  •  □ 画像診断又は客観的エビデンスによる再発又は病勢進行を伴う転移がん若しくは治癒切除不能な局所進行がん(直近の治療中又は治療後に病勢進行が認められていること)を有する患者
  •  □ 内分泌療法治療歴があり、以下に該当する患者
       ✓術前/術後内分泌療法中、又は終了後12ヶ月以内に乳がんの再発又は病勢進行が認められた患者
       ✓局所進行(手術不能)又は転移乳がんに対する内分泌療法中に病勢進行が認められた患者
  •  □ 経口剤が嚥下でき、経口投与を継続できる患者

〔除外基準〕4項目全てに該当しないこと

  •  □ 医師の最善の判断に基づき、内分泌療法が不適応となる疾病負荷(短期間で生命を脅かす可能性がある症候性内臓疾患等)を有する患者
  •  □ 添付文書より、トルカプの使用が適切でないと考えられる患者
    例)1型糖尿病又はインスリンの投与を必要とする2型糖尿病患者及びHbA1c≧8.0%の患者
  •  □ 局所進行(手術不能)又は転移性乳がんに対する3ライン以上の内分泌療法を受けた患者
  •  □ 局所進行(手術不能)又は転移性乳がんに対する2ライン以上の化学療法を受けた患者

➁上記1の「適格確認票」をもとに、アストラゼネカ社の審査で“適格”と判定された患者

※当該プログラムの参加では、アストラゼネカ社による事前の適格審査があります。

➂F-one検査に必要な組織検体(採取3年以内のもの)がある患者

➃「トルカプ錠のためのコンパニオン診断結果サポートプログラム」に関する説明に対して同意した患者

注意点

F-One検査は、組織検体による検査です。遺伝子検査に使用可能な「3年以内」の病理検体が必要となります。

アストラゼネカ社の審査において“適格”となった場合であっても、検査に使用する病理検体の保管状態が悪かったり、検体量が少ない場合などでは、F-One検査を行えない場合があります。

F-One検査は324の遺伝子を解析することが可能ですが、当該プログラムで結果をお知らせすることができるのは、三遺伝子(PIK3CA、AKT1、PTEN)の変異の有無のみとなります。そのためBRCAなどその他の遺伝子に関する結果はお知らせ出来ません。

患者さんが紹介来院したら、当院で検査に関する説明を行い、同意書に署名をいただきます。その際は、診察料および診療情報提供料がかかりますので、予めご了承下さい。

【依頼方法・手順】

〔Step1〕がんゲノム科宛に次の3点を作成し、当院地域連携・PFMセンター(前方連携)にFAXして申込して下さい。

 ① 診療情報提供書

②トルカプF-Oneコンパニオン 申込書

③トルカプF-Oneコンパニオン診断プログラム 適格連絡票

〔Step2〕申込の申請書および適格連絡票に基づき、当院よりアストラゼネカ社に適格申請を行います。

〔Step3〕アストラゼネカ社からの審査判定として“適格”の連絡が届いたら検査を行います。

この時、当院に検査に必要な病理検体が保管されている場合はそのままF-One検査を行います。

ただし検査に必要な病理検体が当院以外に保管されている場合には、あらためて検査に必要な検体を送付についてお知らせ致します。

検体送付の際は、次の資料をダウンロードし、必要得事項を記入の上、病理検体と一緒に送付して下さい。
病理検体の送付に当たっては、「トルカプF-Oneコンパニオン診断病理検体の提供依頼書」に従って取扱いをお願い致します。

④トルカプF-Oneコンパニオン診断病理検体送付書

(参考)トルカプ錠のためのコンパニオン診断結果サポートプログラム 結果連絡シート

検体の送付先
〒040-8611
函館市五稜郭町38番3号
函館五稜郭病院地域連携・PFMセンター前方連携担当 宛

お問合せ

「トルカプ錠のためのコンパニオン診断結果サポートプログラム」に関する問合せ

函館五稜郭病院 外科、乳腺外科

乳がん看護認定看護師 : 伊藤 智恵子

0138-51-2295 ( 内 5065 )

曜日・時間
(月~金) 9 時~17 時
(土) 9 時~13 時

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