【診療紹介】当院の臨床工学技士が、第48回日本呼吸療法医学会学術集会臨床工学部門「最優秀演題賞」を受賞しました
このたび2026年7月4~5日に開催された「第48回日本呼吸療法医学会学術集会」において、大橋利成臨床工学技士(臨床工学科)が『臨床工学部門「最優秀演題賞」』を受賞いたしました。本賞は、呼吸療法分野における優れた研究発表に対して授与されるものであり、日常診療に根ざした本院の研究成果が高く評価されたものです。
受賞および研究の背景
受賞演題「NPPVにおけるHACORスコアとROX指数の予測性能の比較」
呼吸不全に対する治療法の一つである「非侵襲的陽圧換気(NPPV)」は、気管挿管を回避できる可能性がある一方で、効果が不十分な場合に適切なタイミングで治療方針を切り替えることが重要とされています。
しかし、NPPVの効果を客観的に判断する明確な指標は十分に確立されていません。その中で、「HACORスコア」や「ROX指数」といった指標が海外を中心に報告されていますが、日本国内(本邦)ではこれらをNPPVに応用した検討はまだ限られているのが現状です。
研究の成果
本研究では、NPPV治療を受けた患者さんを対象に、「HACORスコア」「ROX指数」の2つの指標が、治療の効果をどの程度予測できるかを比較・検証しました。
解析の結果、
* HACORスコアとROX指数はいずれも治療効果の予測に役立つ可能性があること
* 両者の予測精度はおおむね同程度であること
* 2つの指標を組み合わせることで、より精度の高い判断につながる可能性があること
が明らかとなりました。
本研究は単一施設での検討であるため、今後は多施設での共同研究や前向き研究などを通じて、より信頼性の高いデータの蓄積を進めていく予定です。また、疾患ごとの違いを踏まえた分析を行い、より安全で質の高い医療の提供につなげてまいります。
受賞者コメント
このたびは、歴史ある日本呼吸療法医学会において最優秀演題賞という大変栄誉ある賞をいただき、大変光栄に存じます。本研究にご指導・ご支援いただいたすべての皆さまに深く感謝申し上げます。本研究を通じて、NPPV治療における客観的評価の重要性と、その臨床での活用可能性を示すことができました。今後はさらに研究を発展させ、国内外へ発信することで、呼吸療法の向上に貢献してまいります。






