函館五稜郭病院

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大腿骨近位部骨折について

特徴

股関節の大腿骨近位部は骨頭、頸部、転子部に分けられ、ほとんどの大腿骨近位部骨折は頸部と転子部での骨折です。

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高齢者でおこることが多く、交通事故や転倒など大きな外が加わった時や、尻もち・つまずきなどの軽い衝撃でも折れてしまうのが特徴です

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高齢者の骨折しやすい(易骨折性)原因に、骨粗鬆症による骨強度の低下が挙げられます。治療は保存治療ではなく、手術を行います。

高齢者ではすでに様々な病気を患っていることが多く、骨折による長期臥床で認知症、呼吸・循環系などの合併症が増悪して寝たきり、さらに致命的になることさえあります。

そのため、高齢者の骨折治療ではこれらの合併症が起きるのを防ぎ、1日でも早く受傷前の生活レベルに戻す必要があります。このような観点から現在当院では受傷後なるべく早期に手術を行うようにしています。

大腿骨近位部骨折の治療

大腿骨頸部骨折ではレントゲン画像で骨のずれ度合いに基づいて治療選択を行なっております。

骨接合術

骨接合術を行います。内容としては太ももの外側の皮膚を4cm切開し、釘を3本挿入します。

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人工骨頭置換術

骨折部のズレが大きいものに対しては人工骨頭置換術を行います。臀部に12cmの皮膚切開をおき、骨折した骨頭を摘出して、人工のインプラントを挿入します。

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骨接合術(転子部骨折の場合)

大腿骨転子部骨折では基本的に骨接合術を行います。手術材料に関しては様々なものがありますが、一般的にはガンマネイルと呼ばれる釘が用いられます。

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早期リハビリテーション

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手術した翌日からベットから離床することで、全身の筋肉を使用、早い段階で起立・歩行を目指して筋力トレーニング、ストレッチを行います。これにより寝たきりに伴う認知機能の低下、関節の拘縮、筋力低下など多くの合併症を防ぐことができます。

退院後の生活と地域連携

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術後は当院でリハビリテーションを行い自宅に帰ることを目指しますが、自宅退院が難しい場合はリハビリテーションのために専門病院への転院をして頂きます。ここで地域連携パスを活用し、あらかじめ情報を共有しておくことで転院先でも継続して計画的な治療を受けることができます。

このように当院では患者様がより早く受傷前の生活身戻れるように病院間で連携を行なっております。

大腿骨近位部骨折で手術をお考えの関係者の皆さまは、ぜひ当院へご相談ください。

整形外科

執筆情報

執筆者:整形外科 医師

掲載日:2023年6月

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