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【泌尿器科】難治性過活動膀胱に対する、SNM(仙骨神経刺激療法)を開始しました

2024年1月より、当院泌尿器科では、難治性過活動膀胱に対する新しい治療法「SNM」が行えるようになりました。

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治療法について

 仙骨神経刺激療法(Sacral Neuro Modulation)とは、仙骨神経叢へ電気的に刺激をすることで、便失禁および過活動膀胱の症状改善を目的とした療法です。

 特徴として、体内に神経刺激装置を臀部に植え込みし、体の外から専用のコントローラーを用いて、一定期間電気刺激を行い症状改善が期待できます。

 欧米では1990年代より行われ、日本では2014年4月より便失禁を対象に、2017年9月より過活動膀胱に保険診療が適応されています。また、2022年11月より、特定の条件下でMRI撮影が可能となった、条件付き全身MRI対応SNMシステムが導入されています。

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治療効果について

本治療により、過活動膀胱や便失禁の原疾患を治療するものではありません。

過活動膀胱の場合、治療開始から12カ月時点で、1日の尿失禁回数が半分以下に改善した方は79%です。(2016年、米国臨床試験結果、調査対象272人)

便失禁の場合、治療開始から6カ月時点で、1週間の便失禁回数が半分以下に改善された方は86%です。(2010年~国内臨床試験、慢性便失禁患者を対象としたMDT-3110による仙骨神経刺激療法の臨床試験;UMIN000004464)

参考文献、引用等

・UMIN-ICDS 臨床試験登録情報の閲覧;UMIN000004464(大学病院医療情報ネットワーク(UMIN))

・画像の提供:日本メドトロニック株式会社

執筆情報

執筆者:函館五稜郭病院 泌尿器科

掲載日:2024年2月13日

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