『da vinci Si』は、主に前立腺がんの手術などに使われる腹腔鏡手術支援ロボットです。
ダ・ヴィンチは、ロボットの操作を行う操作盤(サージョンコンソール)、鉗子を装着したロボットアーム部(ペイシェントカート)、内視鏡の映像を映し出すモニター部(ビジョンカート)の3つの部分から構成されています。
前立腺がんの手術では、まず患者さんの下腹部に6か所の小さな穴をあけ、そこから3D内視鏡カメラとロボットのアーム部を挿入します。執刀医はアームから離れた操作盤で、内視鏡カメラから送られてくる鮮明な3D映像を見ながら手術を行います。ロボットのアームは人間の腕よりも可動範囲が広いため、関節の360度回転といったロボットにしかできない手技を行うことができるほか、医師の手ぶれを抑える機能も備えており、より精度の高い手術を行うことが可能です。また、2つの操作盤を接続し、複数の医師が術野を共有することができるため、研修医の育成や指導への活用も期待されています。
ダ・ヴィンチは泌尿器科のほかにも消化器外科や婦人科などの手術で使用されていますが、当院では当面の間、保険適用となっている前立腺がんの摘出術のみを対象に使用する予定です。