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がんゲノム医療

がん遺伝子パネル検査とは

 私たちのからだは約37兆個の細胞からできており、細胞ひとつひとつはほぼ同一の「ゲノム」をもっています。ゲノムとは遺伝情報の全てのことで、DNAという物質が担います。DNAのうち、タンパク質を作る設計図となっている部分を特に「遺伝子」といいます。

 がんは、ある細胞のDNA が傷つき、その結果発生した「遺伝子変異」が積み重なって発生します。
 当院で行うがん遺伝子パネル検査では、患者さんのがん組織(手術などにより切除・採取した臓器の一部)を用い、がんに関係する100 以上の遺伝子を一度に解析し、がんがどのような遺伝子変異から発生したのかを調べます。それらの遺伝子変異に対応した抗がん剤を選択し,個別化治療に活かすことが目的です。

 2019年6月より、一定の条件を満たした患者に対してがん遺伝子パネル検査の保険適用が認められ、当院では同年9月より当検査を実施しております。

保険適応で検査を受けるための要件

 保険適応となったがん遺伝子パネル検査の対象となる患者さんには以下のような要件があります。

  • ・標準治療のない固形がん患者さん
  • ・局所進行もしくは転移が認められ標準治療が終了となった固形がん患者さん
    (終了が見込まれる者を含む)
  • ・検査実施後に化学療法の適応となる可能性が高いと主治医が判断した患者さん

検査結果をもとにしたその後の抗がん剤治療に耐えうる十分な体力があること
(検査結果の報告まで2か月ほどかかります)

検査の流れ

場所 手順
通院中の医療機関
(五稜郭病院または他医療機関)
患者さんは、主治医へがん遺伝子パネル検査についてご相談ください。
他医療機関の医師は、がん遺伝子パネル検査依頼書をご記入いただき、FAX(地域医療連携室:0120-51-5698)にて送付をお願いします。
五稜郭病院 当院「がん遺伝子外来」を受診していただきます。受診日当日は、新棟1F「新患・紹介患者窓口」へお越しください。がん遺伝子パネル検査についてご説明(1時間程度)と採血を行い、一度帰宅していただきます。※検査結果の報告まで2か月ほどかかります。
五稜郭病院 検査結果が出たら再度来院していただき、検査結果をご説明いたします。

検査を受ける上でご理解いただきたいこと

 がん遺伝子パネル検査においては、遺伝子変異に対応した抗がん剤が必ず見つかるとは限りません。また、候補となる抗がん剤が判明したとしてもそれが保険適用外であるという場合も少なくありません。それらの理由で、遺伝子変異にもとづいた治療に至る患者の割合は、一般的に10~15%程度と言われています。

遺伝子変異にもとづいた治療に至る患者の割合 10~15%

 なお候補となった抗がん剤が保険適応外であっても、臨床試験や治験、先進医療、患者申出療養などの制度を利用して使用できる場合があります。お知りになりたい情報がございましたら、がんゲノム医療センターまでお問い合わせ下さい。

検査費用

がん遺伝子パネル検査(診療報酬) 560,000円
患者さん負担額 一例
※保険証3割負担の場合
168,000円

診療体制(診療時間)およびお問い合わせ

がん遺伝子外来 毎週金曜日 13時~16時

※対象は当院に通院中の患者さん、または他医療機関からの紹介患者のみとなります。

※必ず事前に主治医、またはかかりつけ医に相談をお願いします。

【他医療機関の皆様へ(ご紹介手順)】

  • ①以下の「がん遺伝子パネル検査依頼書」をご記入いただき、FAX(地域医療連携室:0120-51-5698)にて送付をお願いします。
    がん遺伝子パネル検査依頼書
  • ②受診日が決まりましたら、以下の「診療情報及び病理検体の提供依頼書」をご記入いただき、予約日7日前までに送付(もしくは持参)をお願いいたします。
    診療情報及び病理検体の提供依頼書(2022/08/31版)
  • ※2022年8月31日に書式変更となっております。既にダウンロードされた医療機関の方は、差し替えをお願いします。

お問い合わせ
函館五稜郭病院 がんゲノム医療センター センター長 池田 健
TEL:0138-51-2295(代表)

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