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da vinci Si
手術支援ロボット『da vinci Si』を道南で初めて導入

― 内視鏡手術は新時代へ ー

当院は平成25年5月より最新の手術支援ロボット「da vinci Si」(以下ダ・ヴィンチ)を道南で初めて導入しました。このロボットは腹腔鏡などの内鏡視下手術で使用されるもので、とくに前立腺がんの手術で大きな威力を発揮します。このダ・ヴィンチを活用することで、より正確な手術を行えるだけでなく、患者さんにとっても、体への負担が少ない手術を受けられるなど、多くのメリットがあります。ここでは、この手術支援ロボット「ダ・ヴィンチ」についてご紹介します。

ダ・ヴィンチとは?

ダ・ヴィンチは、アメリカで開発された内視鏡下手術支援ロボットです。通常の腹腔鏡手術と比べ、より鮮明な3D映像を得られるほか、メスやハサミといった器具を繊細に動かすことができるため、今まで以上に正確かつ安全な手術を行うことが可能です。とくに前立腺がんの手術に力を発揮し、アメリカでは前立腺がん手術の8割以上がダ・ヴィンチを使用して実施されています。現在、アメリカで約1,600台、ヨーロッパでは約400台が導入されており、ダ・ヴィンチによる治療は世界的に急速に広まりつつあります。

ダ・ヴィンチの特長

『da vinci Si』は、主に前立腺がんの手術などに使われる腹腔鏡手術支援ロボットです。 ダ・ヴィンチは、ロボットの操作を行う操作盤(サージョンコンソール)、鉗子を装着したロボットアーム部(ペイシェントカート)、内視鏡の映像を映し出すモニター部(ビジョンカート)の3つの部分から構成されています。
サージョンコンソール、ペイシェントカート、ビジョンカート
前立腺がんの手術では、まず患者さんの下腹部に6か所の小さな穴をあけ、そこから3D内視鏡カメラとロボットのアーム部を挿入します。執刀医はアームから離れた操作盤で、内視鏡カメラから送られてくる鮮明な3D映像を見ながら手術を行います。ロボットのアームは人間の腕よりも可動範囲が広いため、関節の360度回転といったロボットにしかできない手技を行うことができるほか、医師の手ぶれを抑える機能も備えており、より精度の高い手術を行うことが可能です。また、2つの操作盤を接続し、複数の医師が術野を共有することができるため、研修医の育成や指導への活用も期待されています。
  ダ・ヴィンチは泌尿器科のほかにも消化器外科や婦人科などの手術で使用されていますが、当院では当面の間、保険適用となっている前立腺がんの摘出術のみを対象に使用する予定です。

より早期の退院が可能に

ダ・ヴィンチによる手術は通常の開腹手術に比べ、傷口が小さく抑えられるため、術後の痛みが軽減され、感染症などを起こすリスクも減らすことができます。また、手術後の回復も早く、より早期の社会復帰が可能となるなど、患者さんにとっても多くのメリットがあります。

医療費について

平成24年4月より、ダ・ヴィンチによる前立腺がんの全摘出手術が保険適用となりました。医療費の負担は従来の手術と大きくは変わりません。また、高額療養費制度を利用すると、さらに負担を少なくすることができます。金額は患者さんの年齢や所得により変わります。下表はあくまで目安の金額ですので、ご了承ください。
ダヴィンチによる前立腺全摘術の医療費の例
(入院期間10日間の場合)

健康保険を使用する場合(一般所得)

70歳未満の方(3割負担) 約500,000円
70歳以上の方(所得により異なる場合がございます。) 約44,400円

高額療養費制を利用する場合(一般所得)

70歳未満の方 約80,100円
70歳以上の方(所得により異なる場合がございます。) 約44,400円
ダ・ヴィンチによる前立腺がんの手術を希望される場合や不明な点がある場合は、泌尿器科の主治医にご相談ください。
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