【医療コラム】心臓超音波検査(心エコー検査)について
みなさん、2025年7月30日掲載の”超音波検査について”のコラムは読まれたでしょうか?今回は超音波検査の中の領域のひとつである”心臓超音波検査(心エコー検査)について”、臨床検査技師がご紹介します。
みなさん、2025年7月30日掲載の”超音波検査について”のコラムは読まれたでしょうか?今回は超音波検査の中の領域のひとつである”心臓超音波検査(心エコー検査)について”、臨床検査技師がご紹介します。
心エコー検査は、超音波ビームを用いて心臓をリアルタイムに画像・映像化し、心臓の動きやカタチ、血流の方向などを観察する検査です。
胸にプローブといわれる機器を当てた超音波による検査となるため、放射線による被曝や薬などによる副作用もなく、妊娠中の方や高齢者の方、こどもでも安心・安全に受けることができます。
心不全 |
虚血性心疾患(狭心症や心筋梗塞) |
弁疾患(大動脈狭窄症・大動脈弁閉鎖不全症・僧帽弁閉鎖不全症など) |
心筋症(肥大型心筋症・拡張型心筋症など) |
肺高血圧症 |
先天性心疾患 |
心臓の腫瘍 |
これらの疾患は時間の経過により悪化したり、治療により改善したりするため、患者さんの現在の状態を把握するためにも定期的に心エコー検査でフォローアップを行います。また、手術前やがん治療の患者さんに対しても、心臓の機能や状態を評価する目的で心エコー検査が行われます。
検査時間は20分前後です(病気の種類や患者さんの状態により検査時間が前後します)。
1:患者取り違え防止の観点から、エコー室内でご本人確認のために”氏名(フルネーム)と生年月日”をお聞きしています。
2:上半身の服装は薄着になっていただき、前胸部をだしてベッドに仰向けに寝ていただきます。
3:検査中に心電図も記録するため胸に3枚のシール電極を貼ります。
4:検査は左側を下にした体の向きで行います。(左側を向くことで心臓が綺麗に写ります)
5:ゼリーを付けて画像を撮ったり計測をしたりしていきます。
6:息を吸ったり吐いたりすることで心臓の位置が変わり綺麗に写るため、こちらからお声がけすることがあります。
腹部エコー検査とは違い検査前の飲食の制限はありません。
指輪や時計など貴金属を身につけていても検査を行えるため、外す必要はありません。
心エコー検査では前胸部を出していただくため、ワンピースや補正下着などの着用を避けていただけると検査がスムーズに行うことができます。
検査中はエコーの機械からでる熱により故障を起こしやすく、エコー室の室温は低めに設定されています。室温が寒すぎる場合がありましたら遠慮なくお声がけください。
心エコー検査は、身体への負担が少なくリアルタイムに心臓の状態を把握できる検査ですが、この検査だけで診断の全てが決まるわけではありません。他にも血液検査や心電図検査、レントゲン検査、CT/MRI検査など多くの検査の結果から患者さんの心臓を多角的に評価し、最終的に医師が病気を診断します。
なお、函館五稜郭病院では、超音波検査に関わる資格を有した技師も多く在籍していますので、安心して心エコー検査を受けていただきたいと思います。
執筆者:函館五稜郭病院 臨床検査技師
掲載日:2025年10月20日