【医療コラム】PET/CT検査に食事が与える影響って?検査前絶食の理由について

病院で受ける検査は、場合によって、食止め(絶食)や水分禁止など、食事制限をお願いすることがあります。今回は「PET/CT検査」における検査前の絶食について、放射線技師の観点から解説します。
病院で受ける検査は、場合によって、食止め(絶食)や水分禁止など、食事制限をお願いすることがあります。今回は「PET/CT検査」における検査前の絶食について、放射線技師の観点から解説します。
PET/CT検査、放射線を放出する特別な薬剤※1を使用し、糖分を多く必要とする細胞検出することで、全身のがんや転移などを画像化することが出来ます※2。
PET/CT検査はインスリンの影響を大きく受けます。インスリンは血糖値が上がると分泌されるのですが、血糖値が上がる主な理由は食事です。そのため、検査前の絶食が必要となります。
そのため、検査前の絶食が必要となります。(当院の場合は検査5時間前から絶食としております。)
また、胃カメラなどで用いるグルカゴンでもインスリンが分泌されるので、他の検査も組み合わせて行う場合には確認が必要です。
もしPET/CT検査で絶食をしなかった場合、見つけたいはずのがんや転移などの病変が見えにくくなるために診断が難しくなってしまいます。
PET/CT検査は全身の病変を一度に検索できる便利な検査ですが、その効果を最大限に発揮するためには、検査前5時間の絶食がどうしても必要となります。
※1 18F-FDG(18F-fluorodeoxyglucose: 18F-フルオロデオキシグルコース)
※2 がん細胞は正常組織の3~8倍のブドウ糖を必要とし、18F-FDGは糖分を多く必要とする組織に多く取り込まれるため、がん細胞を画像化することができる
執筆者:函館五稜郭病院 診療放射線技師
掲載日:2024年4月10日