函館五稜郭病院

IBDセンター

炎症性腸疾患(Inflammatory Bowel Disease)は、英語表記の頭文字をとって“IBD”と呼びますが、主に厚生労働省の特定難治性疾患に指定されている潰瘍性大腸炎とクローン病の二つの病気を指します。


その原因については、いまだはっきりしていない病気ですが、免疫の異常が原因の一つと考えられています。 特に若年者を中心に年々増加していますが、患者さんの個人差が大きな病気であり、診断や治療には専門的な知識が必要と考えられています。


このたび当院は、患者さんにきめ細やかな医療を提供する体制が整いましたので、道南初のIBDセンターを2024年1月より開設しました。


当面は、消化器内科の外来部門が主たる活動の場となり、多職種の連携は,栄養サポートチームのメンバーで行われますが、患者さんや地域の医療機関にも認知されるよう努めてまいります。


診療内容

診断のながれ

潰瘍性大腸炎大腸内視鏡検査を行うことで診断されます。
クローン病口腔から肛門まで病変がみられることがあります。
大腸内視鏡検査のほか、上部内視鏡検査(胃カメラ)、小腸内視鏡検査、カプセル内視鏡検査、消化管造影検査、腹部超音波検査、CTやMRIを組み合わせて診断されます。

治療方針の決定

当院では、厚生労働省や消化器病学会の治療指針・ガイドラインに沿って、主に内科治療を勧めていくことになります。

潰瘍性大腸炎重症度と病変の広がり(直腸型,左側大腸炎型,全大腸炎型)などを確認し、治療方針を決定します。
クローン病重症度と疾患パターン(炎症,狭窄,瘻孔形成)そして病変部位(小腸型,大腸型,小腸大腸型)などを確認し、治療方針を決定します。

治療内容

潰瘍性大腸炎とクローン病では、各治療法の位置付けや使い方は少し異なる場合もありますが、活動期の治療を行って、病状が落ち着いた後も、長期によい状態を維持するために(寛解維持)治療を継続します。

具体的には、消化管の炎症を抑えるメサラジン製剤(5アミノサリチル酸製剤)、過剰な免疫の働きを抑えるステロイドや免疫調製剤、炎症に関わる分子を標的とした生物学的製剤、炎症のシグナル伝達を抑える低分子化合物があり、主治医と相談しながら治療を選択していきます。

ただ、クローン病は、大腸だけでなく小腸にも炎症が起こることがあり、栄養障害を来すこともありますので、薬物療法に栄養療法を併用する場合があります。

診療スケジュール・担当医

  受付時間 月曜日 火曜日 水曜日 木曜日 金曜日 土曜日
IBD専門外来 13:30~15:00 - - 担当医 - - -

※第1・3・5水曜日 小林医師、第2・4水曜日 古川医師

診療・手術・検査実績

  2019年 2021年 2022年 2023年 2024年
潰瘍性大腸炎
111 134 151 159 176
クローン病 43 49 74 76 81

※当院で国の難病申請を行った患者数

医師のご紹介

  • ここをクリックすると医師一覧を表示できます。

    小林 寿久

    IBDセンター長

    小林 寿久

    こばやし としひさ

    卒業大学・卒業年度 札幌医科大学 1992年卒 医学博士
    専門分野 消化器内科全般(下部消化管、炎症性腸疾患、肝疾患、化学療法)
    当院着任日 2002年6月
    専門医・認定医など 日本消化器病学会認定消化器病専門医、指導医
    日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡専門医、指導医
    日本内科学会認定内科医、総合内科専門医
    日本肝臓学会認定肝臓専門医
    日本がん治療認定医機構がん治療認定医

    古川 滋

    IBDセンター副センター長(消化器内科主任医長兼務)

    古川 滋

    ふるかわ しげる

    卒業大学・卒業年度 旭川医科大学 1996年卒 医学博士
    専門分野 炎症性腸疾患
    当院着任日 2023年11月
    専門医・認定医など 日本消化器病学会認定消化器病専門医、指導医
    日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡専門医、指導医
    日本内科学会総合内科専門医
    日本消化管学会認定胃腸科専門医、指導医
    日本大腸肛門病学会認定大腸肛門病専門医、指導医
    日本カプセル内視鏡学会認定医、指導医
page top