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新透析センター開設

 平成28年10月、療養環境の改善、透析治療の質向上を目的に透析センターをリニューアルしました。今回のトピックスでは、新しい透析センターについてご紹介します。

透析治療とは

 腰部背中側の左右にあり、血液中の老廃物をろ過し、尿を生産する腎臓、その機能が低下した状態が腎不全です。透析治療は専用の装置を用い、腎臓の機能に代わる治療を行います。
 透析治療には血液透析と腹膜透析の2種類があります。血液透析は体内から血液を取り出し、専用の装置を通して血液中の老廃物や余分な水分を取り除く治療です。腹膜透析は事前に植え込んだカテーテルを通してお腹の中へ透析液を入れ、体内の毒素や余分な水分を腹膜の血管を通して除去する治療です。
 当院ではこの両方の治療を積極的に取り組んでおり、透析治療が必要になる前の保存期腎不全の段階から移植を含めた腎代替療法の相談を行い、その患者さんに最も合った治療法を選べるサポートをしています。

新透析センター

 今回のリニューアルでは患者さんの療養環境及び治療の質を重視して設計を行いました。
 療養環境面では、待合室に大型テレビを設置し、治療開始時間まで明るく開放的な空間でくつろぐことができます。更衣室は今までの倍以上のスペースを確保し、ゆったりとした環境で着替えをしていただくことができます。
 治療面では安心・安全で質の高い治療を提供できるよう、電気再生純水装置を新規導入し、超純水透析液を使用した治療ができるように設備を整えています。また、ハイケアブースをスタッフホールの向かいに配置し、患者さんの様子を常に観察できるよう壁面のほとんどをガラスにしています。ここでは腎不全以外の疾患を合併している患者さん、症状が重篤な患者さんの透析治療を行います。個室には室内の空気をコントロールする設備を整え、インフルエンザなどの隔離が必要な方の透析を行います。
 透析患者さんはこれまで年々増加しており、現在の患者数は全国で約32万人、道南では約1千人となっております。患者さんの高齢化も進むことが予想されるため、ベッドスペースや治療設備をより充実させて、将来的な対応も行いました。

待合室 更衣室

腹膜透析専門外来

 透析センターに併設している腹膜透析専門外来もリニューアルし、診察室や処置室をはじめとし、患者さんに落ち着いて、清潔な環境で腹膜透析を行ってもらえるように専用室を用意しました。当院は以前より日本透析医学会認定施設ですが、平成28年9月より日本腹膜透析医学会認定教育研修医療機関となりました。この学会から認定される認定指導看護師も4名おり、自宅で行う腹膜透析治療について、患者さんやそのご家族が安心して自宅での治療を継続できるようアドバイスします。また、夜間や休日などでも24時間体制で急なトラブルにも対応できるよう体制を整えています。

腹膜透析外来

オンライン透析

 現在、当センターでは一部の装置でオンライン透析を実施できますが、将来的には50床に増床し、すべての装置で実施できるよう準備を進めております。
 オンライン透析は従来の血液透析よりも多くの透析液を使用することにより、血液中の老廃物の除去率を高めた治療法です。透析中の血圧が安定することもこの治療のメリットで、全身のかゆみや腎性貧血の予防、長時間の治療による疲労感の軽減などが期待できます。

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