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シリーズ ロボット支援手術の活用-第2回 消化器外科(大腸・直腸)領域-

 結腸・直腸がんの手術は従来、「開腹手術」が行われていましたが、近年では患者さんへの負担が少ない腹腔鏡手術が主流となってきました。さらに2018年4月より「直腸がん」に対するロボット手術が保険適応となり、現在急速に普及しています。

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 当院「外科」では20年前より腹腔鏡手術を導入し約80%を腹腔鏡手術で行っておりましたが、2021年より直腸がんに対してロボット手術を導入し、現在まで約50例のロボット手術を安全に行っています。

 また、2022年4月より結腸がん手術に対するロボット手術も保険適応となり、すべての大腸がんでロボット手術ができるようになりました。当院では2022年10月より保険診療で行えるよう準備を進めています。

直腸がんの領域は骨盤に覆われ、排泄や性機能などの自立神経も多く、技術的難易度の高い手術です―

 そしてロボット手術の特徴は、高解像度の3D画像、多関節をもった自由に曲がる鉗子、手振れ補正機能などによる精緻な手術操作が可能です。

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 ロボット支援により、がんの根治性と機能温存(排便・排尿・性機能など)の両立が可能になることが期待されております。

実際の手術画像が表示されます(臓器や血液などが苦手な方はご注意ください)。

 大腸がんに対するロボット手術は多くのメリットがありますが、最新の手術であるがゆえにより高度な技術や安全管理が求められており、比較的厳しい施設条件や術者条件があります。

 当科ではダヴィンチの製造販売元である米国インテュイティブサージカル社のトレーニングコースを受けた医師4名が在籍し、さらに日本ロボット外科学会専門医、日本内視鏡外科学会 ロボット支援手術認定プロクター(指導医)の資格を有する医師(術者経験数:約120例)も在籍しており、安全にロボット手術を行うことに努めております。

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 当院に導入される予定の最先端手術支援ロボットda Vinci Xiの導入により、より良質な手術が患者さんに提供できると考えています。

執筆情報

執筆者:函館五稜郭病院 外科主任医長 木村

掲載日:2022年8月27日

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