函館五稜郭病院

骨折

高齢者の4大骨折 ~骨粗鬆症の進んだ高齢者に多く見られる骨折~

1:大腿骨頚部骨折/転子部骨折(だいたいこつけいぶこっせつ/てんしぶこっせつ)

主に腰を打つように横から転倒した時に生じる、足の付け根部分の骨折

症状

  • ・足の付け根やおしり・腰の痛み
  • ・立ち上がること、歩くことが困難

治療

  • ・原則的に手術(骨接合術または人工骨頭置換術)
図1

当院では、手術が決定したらすぐに、手術前からベッド上でリハビリを行います。骨折した箇所以外の関節の動きや筋力の維持・改善、呼吸機能の維持などを目的に介入します。
手術後は患者さんの全身状態や痛みの程度に応じて、アイシング(炎症や痛みの軽減のため)、関節の動きを良くする運動、筋力トレーニング、歩行練習、日常生活動作練習などを行います。

2:脊椎椎体圧迫骨折

尻もちをついた時などに生じる,脊椎の椎体がつぶれる骨折

症状

  • ・腰や背中の痛み
  • ・まれに下肢の神経障害(痛み、しびれ、感覚低下、筋力低下など)

治療

  • ・受傷直後はベッド上安静とし、脊椎を体の外側から固定し、痛みを緩和するためのコルセットが完成したら、それを装着し、起き上がりや立ち上がり練習、歩行練習などを進めていきます。

3:橈骨遠位端骨折

転倒して地面に手をついた時などに生じる,手首付近の骨折

⇒詳しくは【手、手指の項】をご参照ください。

4:上腕骨近位端骨折

肩から転倒した時などに生じる,腕の骨の肩関節付近の骨折

症状

  • ・肩周囲の痛み
  • ・腕の挙上困難
  • ・まれに神経障害

治療

  • ・保存療法:三角巾と固定ベルトで腕を固定する
  • ・手術療法:骨接合術または人工骨頭置換
図2

リハビリ内容

 保存療法の場合は、骨癒合(骨がくっつくこと)が得られるまでは、他動運動(セラピストによる運動)中心に行い、肩関節が硬くなることを予防します。骨癒合が得られてきたら徐々に自動運動(自力で動かす運動)も行い、徐々に筋力をつけていきます。
 手術療法の場合は、手術後すぐに、痛みの程度に応じて、他動運動および自動運動を開始します。保存療法と同様に、肩関節が硬くならないようにすることが大切です。

page top